言葉が遅い子の特徴や対応は? 発達心理学の専門家が答えます

こんなときどうする? 子育てQ&A#44「言葉が遅い子。どう対応して行ったらいいの?」

教育学博士:渡辺 弥生

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1~3歳では、言葉が遅くて、ママを心配させる子はたくさんいます。

ところが、しばらくすると爆発的に言葉が出てきて、「あの悩みはなんだったのだろうか」と安心するママの話もよく聞きます。

発達心理学の専門家・渡辺弥生教授が子育ての悩みに答えます。

「言葉が遅い子。どう対応して行ったらいいの?」(1歳・男の子)

言葉が遅い子。どう対応して行ったらいいの? 写真/Adobe Stock

言葉の発達の進み方は個人差が大きい

1~3歳では、言葉が遅くて、ママを心配させる子はたくさんいます。

ところが、しばらくすると爆発的に言葉が出てきて、「あの悩みはなんだったのだろうか」と安心するママの話もよく聞きます。

言葉の発達の早い遅いは個人差が大きく、1~3歳の時期は、まだ個性の範囲だと考えていいでしょう。

たとえば「このゴミをゴミ箱にすててね」とたのめば、指示どおりに動ける、絵を見て「クマさんはどこ?」と聞くと、指さしができるなど、言葉を聞いて、ある程度理解しているようなら心配はいりません。

ただ、ちょっと不安という場合は、念のために保健所の相談を利用したり、小児科医に尋ねるといいですね。

専門家に診てもらえば、その後の対策も立てやすいし、言葉の増やし方などのアドバイスをもらえて心強いし、なにより安心できます。

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家庭でできることはたくさんあります

基本的に、言葉の発達には、まず言葉をいっぱい聞いて理解していくことが必要です。

話す力は、言葉を十分にインプットしたあとに発揮されるからです。

それだけに、今、家庭でできることはたくさんあります。

次のポイントを参考にして心がけてみてください。

◆子どもの身振りを言葉にする

なにかに気づいて指さすような身振りをしたときには、「猫ちゃんがいるね。猫ちゃん」などと言葉にして復唱を促してみます。

うまくいえなくても「そうね。猫ちゃん、いたわね」と何度もいってあげましょう。

◆行動に言葉を添える

たとえば、外出するときは「おくつはこうね。お花の絵がついてかわいいね」、おやつタイムには「リンゴよ。甘くておいしいね」など。

◆メディアを使うときは一緒に

テレビやビデオを見せっぱなしにするのではなく、会話しながら一緒に見ると効果的です。

◆言葉を引き出す遊びをする

絵本を使って、指さし遊びをしながら言葉を真似させたり、生活の場面とつなげて語りかけたりしてあげましょう。

ままごとや電車ごっこなど、子どもが喜ぶ遊びは言葉を教えるよいチャンスです。

◆ママは聞き上手になろう

子どもがなにか話そうとするときは、よくわからなくても最後まで聞いてあげます。

そのうえで、「○○よね」と言葉を返してあげましょう。

こうやって、生活の各シーンで、表情や動作を交えて楽しく子どもに話しかけていきましょう。

子どもは話せないから、言葉をかけてもムダだと考えるのは誤り。

今は、言葉が出ていなくても「会話するって楽しい!」と感じられる環境が大事です。

丁寧にゆっくりハッキリとした言葉で話しかけていれば、数ヵ月後には言葉の力は伸びているはずです。

文/宇野智子 写真/Adobe Stock
※この記事は幼児誌「げんき」に掲載された記事を再構成したものです。
わたなべ やよい

渡辺 弥生

教育学博士(発達心理学、発達臨床心理学)

大阪府生まれ。1983年筑波大学卒業。同大学大学院博士課程心理学研究科で学んだ後、筑波大学、静岡大学、途中ハーバード大学客員研究員を経...

げんきへんしゅうぶ

げんき編集部

幼児雑誌「げんき」「NHKのおかあさんといっしょ」「いないいないばあっ!」と、幼児向けの絵本を刊行している講談社げんき編集部のサイトで...