ところが、しばらくすると爆発的に言葉が出てきて、「あの悩みはなんだったのだろうか」と安心するママの話もよく聞きます。
「言葉が遅い子。どう対応して行ったらいいの?」(1歳・男の子)
言葉の発達の進み方は個人差が大きい
ところが、しばらくすると爆発的に言葉が出てきて、「あの悩みはなんだったのだろうか」と安心するママの話もよく聞きます。
言葉の発達の早い遅いは個人差が大きく、1~3歳の時期は、まだ個性の範囲だと考えていいでしょう。
たとえば「このゴミをゴミ箱にすててね」とたのめば、指示どおりに動ける、絵を見て「クマさんはどこ?」と聞くと、指さしができるなど、言葉を聞いて、ある程度理解しているようなら心配はいりません。
ただ、ちょっと不安という場合は、念のために保健所の相談を利用したり、小児科医に尋ねるといいですね。
専門家に診てもらえば、その後の対策も立てやすいし、言葉の増やし方などのアドバイスをもらえて心強いし、なにより安心できます。
家庭でできることはたくさんあります
話す力は、言葉を十分にインプットしたあとに発揮されるからです。
それだけに、今、家庭でできることはたくさんあります。
次のポイントを参考にして心がけてみてください。
◆子どもの身振りを言葉にする
なにかに気づいて指さすような身振りをしたときには、「猫ちゃんがいるね。猫ちゃん」などと言葉にして復唱を促してみます。
うまくいえなくても「そうね。猫ちゃん、いたわね」と何度もいってあげましょう。
◆行動に言葉を添える
たとえば、外出するときは「おくつはこうね。お花の絵がついてかわいいね」、おやつタイムには「リンゴよ。甘くておいしいね」など。
◆メディアを使うときは一緒に
テレビやビデオを見せっぱなしにするのではなく、会話しながら一緒に見ると効果的です。
◆言葉を引き出す遊びをする
絵本を使って、指さし遊びをしながら言葉を真似させたり、生活の場面とつなげて語りかけたりしてあげましょう。
ままごとや電車ごっこなど、子どもが喜ぶ遊びは言葉を教えるよいチャンスです。
◆ママは聞き上手になろう
子どもがなにか話そうとするときは、よくわからなくても最後まで聞いてあげます。
そのうえで、「○○よね」と言葉を返してあげましょう。
こうやって、生活の各シーンで、表情や動作を交えて楽しく子どもに話しかけていきましょう。
子どもは話せないから、言葉をかけてもムダだと考えるのは誤り。
今は、言葉が出ていなくても「会話するって楽しい!」と感じられる環境が大事です。
丁寧にゆっくりハッキリとした言葉で話しかけていれば、数ヵ月後には言葉の力は伸びているはずです。
文/宇野智子 写真/Adobe Stock
げんき編集部
幼児雑誌「げんき」「NHKのおかあさんといっしょ」「いないいないばあっ!」と、幼児向けの絵本を刊行している講談社げんき編集部のサイトです。1・2・3歳のお子さんがいるパパ・ママを中心に、おもしろくて役に立つ子育てや絵本の情報が満載! Instagram : genki_magazine Twitter : @kodanshagenki LINE : @genki
幼児雑誌「げんき」「NHKのおかあさんといっしょ」「いないいないばあっ!」と、幼児向けの絵本を刊行している講談社げんき編集部のサイトです。1・2・3歳のお子さんがいるパパ・ママを中心に、おもしろくて役に立つ子育てや絵本の情報が満載! Instagram : genki_magazine Twitter : @kodanshagenki LINE : @genki
渡辺 弥生
大阪府生まれ。1983年筑波大学卒業。同大学大学院博士課程心理学研究科で学んだ後、筑波大学、静岡大学、途中ハーバード大学客員研究員を経て、法政大学文学部心理学科教授。同大学大学院ライフスキル教育研究所所長兼務。教育学博士。専門は、発達心理学、発達臨床心理学。主な著書に『まんがでわかる発達心理学』、『11歳の身の上相談』(講談社)、『親子のためのソーシャルスキル』(サイエンス社)など。
大阪府生まれ。1983年筑波大学卒業。同大学大学院博士課程心理学研究科で学んだ後、筑波大学、静岡大学、途中ハーバード大学客員研究員を経て、法政大学文学部心理学科教授。同大学大学院ライフスキル教育研究所所長兼務。教育学博士。専門は、発達心理学、発達臨床心理学。主な著書に『まんがでわかる発達心理学』、『11歳の身の上相談』(講談社)、『親子のためのソーシャルスキル』(サイエンス社)など。