子どもの「しつけ」はどうするのが正しい方法? 教育学博士が回答

こんなときどうする? 子育てQ&A#43「子どものしつけで優先したほうがいいことはなに?」

教育学博士:渡辺 弥生

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まず最初にとても大事なことは、「しつけ」=「叱ること」というのは間違いです。

一つずつ言葉や援助で教えていくことだけ考えましょう。

発達心理学の専門家・渡辺弥生教授が子育ての悩みに答えます。

「子どものしつけで優先したほうがいいことはなに?」(2歳・男の子)

子どものしつけで優先したほうがいいことはなに? 写真/Adobe Stock

「しつける」ってどういうことだろう?

厳しくすると即効性を感じるかもしれませんが、「怖い」からやめるだけ。

怖い人がいなければまた悪いことをしたりします。

人がなにかを学ぶためには、「見る」「説明を受ける」「援助してもらいながら体験する」「努力を認めてもらう」という体験が欠かせません。 

そういうことからも、1~3歳で優先したいのは次の二つです。

◆子どもができないことは、生活の流れのなかで、お手本を見せ、「これは、こうするといいのよ」と、言葉やときには手を添えて教えていく。

◆危険なこと、悪いことをしたときは、「水遊びはお部屋が濡れるからダメ! お風呂に入ったときにやろうね」などと、ダメな理由とどうすればよかったのかという説明をする。

しつけは、この繰り返しにつきます。

現実的には冷静になれずに、厳しく叱ってしまうこともあるでしょう。

でも、この大原則を頭に入れておくといいと思います。

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「危険」を避ける方法を最優先で教えていく

なかでも、1~3歳で優先したいのは、危険を教えることです。

危険なことをしたときは、思わず大声で叱ることがあるのは当然です。

その真剣さは間違いなく子どもに伝わります。

ただ、たとえば、「そこを走ると転ぶ(落ちる・車とぶつかる)から手をつないで歩かなくちゃダメよ」というように、かならず、なぜ危ないかという理由をわかりやすい言葉で説明しましょう。

しつけは根気がいりますが、ママが何度も教え続けたことは、子どもの心にきちんと残っていきます。

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生活習慣のしつけは時間をかけてゆっくりと

食べる、寝る、清潔の意識、あいさつ、ルールを守ることなど、生活習慣のベースも作っていく時期です。

これらは、生活のなかで見て学ぶ要素が強いものですが、それに加えて、子どもが身につけやすくなるような言葉がけや援助が必要です。

たとえば、入浴タイム。

「服を脱いで洗濯かごに入れ、湯かけをして、湯船に入ったあと体や髪を洗う……」といった流れのなかで、清潔は健康を守るために必要なことなどを話してあげましょう。

また、ときどきは「ママのまねっこしてね」といって、脱いだ服をかごに入れさせたり、体を洗わせてみたりするといいですね。

それで、できたら「できたね」とほめてあげるといいでしょう。

何度もいいますが、しつけで優先したいのは、お手本を見せ、説明し、支援しながら体験させてあげること。

そして、できたときは、ほめてあげたくなりますね。

その気持ちをそのまま言葉にしてあげたらいいのです。

急ぐ必要はないので、子どもの成長を楽しみながら時間をかけて進めていけば、「しつけ」は100点です。

文/宇野智子 写真/Adobe Stock
※この記事は幼児誌「げんき」に掲載された記事を再構成したものです。
わたなべ やよい

渡辺 弥生

教育学博士(発達心理学、発達臨床心理学)

大阪府生まれ。1983年筑波大学卒業。同大学大学院博士課程心理学研究科で学んだ後、筑波大学、静岡大学、途中ハーバード大学客員研究員を経...

げんきへんしゅうぶ

げんき編集部

幼児雑誌「げんき」「NHKのおかあさんといっしょ」「いないいないばあっ!」と、幼児向けの絵本を刊行している講談社げんき編集部のサイトで...