友達のおもちゃを勝手に使ってしまう どうすべきか発達の専門家が回答

こんなときどうする? 子育てQ&A#52「友達のおもちゃを勝手に使っちゃう! どう教えたらいい?」

教育学博士:渡辺 弥生

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1~3歳になると、所有欲や自分のものという認識が出てくるため、お友達遊びのなかで、おもちゃの取りあいなどの問題がおこりやすくなりますね。

トラブルがおきる、おきないにかかわらず、ママがサポートしてあげましょう。

発達心理学の専門家・渡辺弥生教授が子育ての悩みに答えます。

「友達のおもちゃを勝手に使っちゃう! どう教えたらいい?」(2歳・男の子)

友達のおもちゃを勝手に使っちゃう! どう教えたらいい? 写真/Adobe Stock

モラルを教えるチャンスにしていきましょう

所有欲や自分のものという認識が出てくるのは、成長の証なのです。

また、見えた⇒興味がわく⇒手に取ってみたいという意欲や好奇心が高まることも影響しています。

反面、「人のものを勝手に使ってはいけない」という規則の意識はまだありません。

そのため、どうしてもトラブルがおこりやすくなるのです。

こうしたモラルは、教えられて身についていくものです。

もし、わが子が人のものを無断で使おうとしたときこそ、それを教えるよいチャンスといえます。

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1~3歳の時期はママがフォローして

では、どう教えていけばいいのでしょうか。

1~3歳では、ママがサポートしてあげましょう。

まず、わが子には「『貸して』っていおうね」と伝えたあと、相手の子のママに「借りてもいいですか?」と、たずねればいいだけの話です。

そうすれば「いいですよ」や「大事なものだから困ります」といった返答があるはずなので、それにしたがったらいいでしょう。

貸す子も借りる子も、まだなにも判断できない年齢ですから、一緒に並んで遊ぶのであれば、相手の子のママに「一緒に遊ばせてくださいね」とあいさつをしておくだけでも、あとの対応がスムーズでしょう。

ママのこうした小さな心づかいこそ、子どもにとってはよいお手本です。

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なんでも、見て、聞いて覚えていきます

とはいっても、1~3歳の子どもは、1回教えたからといって次に実行できる力はまだもっていません。

そういうシーンのたびに根気よく教えていくことが大事です。

「けんかになったわけでもないし、まだわからないから教えなくてもいいや」ではなく、今の段階からママがお手本を見せたり、話して聞かせたりしてあげてください。

「貸してください」「どうぞ」「ありがとう」などの基本的なソーシャルスキル(人と上手に関わるコツや行動)も、大人のやりとりを見聞きしながら覚えていきます。

それらが身にしみていき、近い将来かならず「あっ、ママがいっていたのは、このことだ!」と、ストンと胸に落ちて、モラルや具体的なスキルが身についていくのです。

教えてこなかったことは、○歳になったからといって急にできるようになるものでもありません。

子どもが成長したときに自然とよい行動がとれるように、これは身につけさせたいと思うことは、今のうちから少しずつ伝えていってあげたいですね。

文/宇野智子 写真/Adobe Stock
※この記事は幼児誌「げんき」に掲載された記事を再構成したものです。
わたなべ やよい

渡辺 弥生

教育学博士(発達心理学、発達臨床心理学)

大阪府生まれ。1983年筑波大学卒業。同大学大学院博士課程心理学研究科で学んだ後、筑波大学、静岡大学、途中ハーバード大学客員研究員を経...

げんきへんしゅうぶ

げんき編集部

幼児雑誌「げんき」「NHKのおかあさんといっしょ」「いないいないばあっ!」と、幼児向けの絵本を刊行している講談社げんき編集部のサイトで...