友達のおもちゃを勝手に使ってしまう どうすべきか発達の専門家が回答
こんなときどうする? 子育てQ&A#52「友達のおもちゃを勝手に使っちゃう! どう教えたらいい?」
2022.05.14
教育学博士:渡辺 弥生
トラブルがおきる、おきないにかかわらず、ママがサポートしてあげましょう。
「友達のおもちゃを勝手に使っちゃう! どう教えたらいい?」(2歳・男の子)
モラルを教えるチャンスにしていきましょう
また、見えた⇒興味がわく⇒手に取ってみたいという意欲や好奇心が高まることも影響しています。
反面、「人のものを勝手に使ってはいけない」という規則の意識はまだありません。
そのため、どうしてもトラブルがおこりやすくなるのです。
こうしたモラルは、教えられて身についていくものです。
もし、わが子が人のものを無断で使おうとしたときこそ、それを教えるよいチャンスといえます。
1~3歳の時期はママがフォローして
1~3歳では、ママがサポートしてあげましょう。
まず、わが子には「『貸して』っていおうね」と伝えたあと、相手の子のママに「借りてもいいですか?」と、たずねればいいだけの話です。
そうすれば「いいですよ」や「大事なものだから困ります」といった返答があるはずなので、それにしたがったらいいでしょう。
貸す子も借りる子も、まだなにも判断できない年齢ですから、一緒に並んで遊ぶのであれば、相手の子のママに「一緒に遊ばせてくださいね」とあいさつをしておくだけでも、あとの対応がスムーズでしょう。
ママのこうした小さな心づかいこそ、子どもにとってはよいお手本です。
なんでも、見て、聞いて覚えていきます
そういうシーンのたびに根気よく教えていくことが大事です。
「けんかになったわけでもないし、まだわからないから教えなくてもいいや」ではなく、今の段階からママがお手本を見せたり、話して聞かせたりしてあげてください。
「貸してください」「どうぞ」「ありがとう」などの基本的なソーシャルスキル(人と上手に関わるコツや行動)も、大人のやりとりを見聞きしながら覚えていきます。
それらが身にしみていき、近い将来かならず「あっ、ママがいっていたのは、このことだ!」と、ストンと胸に落ちて、モラルや具体的なスキルが身についていくのです。
教えてこなかったことは、○歳になったからといって急にできるようになるものでもありません。
子どもが成長したときに自然とよい行動がとれるように、これは身につけさせたいと思うことは、今のうちから少しずつ伝えていってあげたいですね。
文/宇野智子 写真/Adobe Stock
げんき編集部
幼児雑誌「げんき」「NHKのおかあさんといっしょ」「いないいないばあっ!」と、幼児向けの絵本を刊行している講談社げんき編集部のサイトです。1・2・3歳のお子さんがいるパパ・ママを中心に、おもしろくて役に立つ子育てや絵本の情報が満載! Instagram : genki_magazine Twitter : @kodanshagenki LINE : @genki
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渡辺 弥生
大阪府生まれ。1983年筑波大学卒業。同大学大学院博士課程心理学研究科で学んだ後、筑波大学、静岡大学、途中ハーバード大学客員研究員を経て、法政大学文学部心理学科教授。同大学大学院ライフスキル教育研究所所長兼務。教育学博士。専門は、発達心理学、発達臨床心理学。主な著書に『まんがでわかる発達心理学』、『11歳の身の上相談』(講談社)、『親子のためのソーシャルスキル』(サイエンス社)など。
大阪府生まれ。1983年筑波大学卒業。同大学大学院博士課程心理学研究科で学んだ後、筑波大学、静岡大学、途中ハーバード大学客員研究員を経て、法政大学文学部心理学科教授。同大学大学院ライフスキル教育研究所所長兼務。教育学博士。専門は、発達心理学、発達臨床心理学。主な著書に『まんがでわかる発達心理学』、『11歳の身の上相談』(講談社)、『親子のためのソーシャルスキル』(サイエンス社)など。