お片付けができる子に育てたい! 正しい親の声がけは? 子育ての専門家が回答
こんなときどうする? 子育てQ&A#84 今から、お片付けできる子に育てたい。
2022.07.22
教育学博士:渡辺 弥生
日に何回も片付けなくてはいけないママパパとしては「そろそろお片付けを教えなくちゃ」と思うのも無理はありません。
「今から、お片付けできる子に育てたい。」(2歳・男の子)
なぜ、片付けることが大切なんだろう?
そのため、マネはできても達成するのは難しい年齢です。
まずは、ママパパがその理由を再確認し、長い目で見ながら教えていくとよいでしょう。
片付けることが大事な理由は、大きくわけて次の三つです。
①安全性 ものが散らかっていると、踏んだり、つまずいて転んだりしてケガをしやすいので、それを防ぐため。
②清潔のため おもちゃや身の回りのものが散らかっていると、掃除がいきとどかずに不衛生になりやすいから。
③利便性 使用後に元の場所に収納することで、次回使うときにスムーズに取り出すことができるから。
1~3歳からはじめるのであれば、見せたり、一緒に体験しながら、言葉でもこれらのことを伝えていくとよいでしょう。
片付ける理由をいつも話してもらっているうちに、その大切さを自然に理解していきます。
具体的には、どう教えていったらいい?
そのポイントは、
①楽しくできる工夫をする。
②「こういう行動が片付けるということ」だと言葉で伝えていく。
③「片付けるとイイコトがある」というメリットを話して聞かせる。
この三つです。
たとえば、①なら、「青い箱には自動車、黄色の箱には積み木ね。ママと競争よ。よーいドン!」などと遊び感覚を取り入れてみましょう。
そして、②と③は、片付けた後に「お片付けができたね。これでケガもしないし、次に遊ぶときにもすぐに出せるね」と語ってあげるとよいでしょう。
また、ママパパが片付けや掃除をするときもチャンスです。
たとえば、食事の前には食卓の上を片付け、ふきんでふきますね。
そのときに「ごはんの前は、きれいに片付けて、バイキンさん、バイバイね。これで、ごはんがおいしく食べられるね!」などと伝えるのです。
できれば、いろいろなシーンで、このような対応をしていきましょう。
大人でも「片付けは完璧!」という人は少ないもの。
あまり厳格に考えずに、楽しませながら、ゆっくり教えていってあげられるといいですね。
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文/宇野智子 写真/Adobe Stock
げんき編集部
幼児雑誌「げんき」「NHKのおかあさんといっしょ」「いないいないばあっ!」と、幼児向けの絵本を刊行している講談社げんき編集部のサイトです。1・2・3歳のお子さんがいるパパ・ママを中心に、おもしろくて役に立つ子育てや絵本の情報が満載! Instagram : genki_magazine Twitter : @kodanshagenki LINE : @genki
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渡辺 弥生
大阪府生まれ。1983年筑波大学卒業。同大学大学院博士課程心理学研究科で学んだ後、筑波大学、静岡大学、途中ハーバード大学客員研究員を経て、法政大学文学部心理学科教授。同大学大学院ライフスキル教育研究所所長兼務。教育学博士。専門は、発達心理学、発達臨床心理学。主な著書に『まんがでわかる発達心理学』、『11歳の身の上相談』(講談社)、『親子のためのソーシャルスキル』(サイエンス社)など。
大阪府生まれ。1983年筑波大学卒業。同大学大学院博士課程心理学研究科で学んだ後、筑波大学、静岡大学、途中ハーバード大学客員研究員を経て、法政大学文学部心理学科教授。同大学大学院ライフスキル教育研究所所長兼務。教育学博士。専門は、発達心理学、発達臨床心理学。主な著書に『まんがでわかる発達心理学』、『11歳の身の上相談』(講談社)、『親子のためのソーシャルスキル』(サイエンス社)など。