スーパーで子どもが「ほしい!」とぐずって大泣き! 育児の専門家が回答

こんなときどうする? 子育てQ&A#58「スーパーなどで、「ほしい!」「買って!」とひっくりかえって大泣きします!」

教育学博士:渡辺 弥生

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買い物先で、子どもに「買って~」「ほしい~」などと泣き叫ばれると、冷や汗ものですね。

つい大声で怒ってしまうこともあるかもしれません。


もし、ママパパが1個くらいなら買ったほうが気が楽だと思うのなら、拒絶することはありません。
発達心理学の専門家・渡辺弥生教授が子育ての悩みに答えます。

「スーパーなどで、「ほしい!」「買って!」とひっくりかえって大泣きします!」(1歳・女の子)

スーパーなどで、「ほしい!」「買って!」とひっくりかえって大泣きします! 写真/Adobe Stock

1~3歳にはよくあることと予測しておこう

店頭には子どもの興味をひくものがいっぱい。

1~3歳なら、自分のものにしたいという気持ちになるのはしかたがないことでしょう。

欲求の表現が強い子だと、よその子以上に激しくほしがりますが、それは、その子が悪いのでも、ママパパの育て方のせいでもありません。

うまく思いを伝えられない時期の「表現の強弱」の違いだけ。

前もって「こういう状況になる可能性はある」と覚悟して対応法を考えておくと、いざというときに役立つでしょう。
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「買わない」といったら、泣かれても譲らずに

もし、いったん「買わない」と判断したときは、それを貫くことが大切。

大泣きされたら、抱きかかえてでもその場から離れ、人目の少ない場所で泣きやむのを待ちましょう。

このとき、ママパパが子どもの泣き声に負けないほど大きな声で怒ってしまうのは火に油を注ぐようなもの。

そして、泣きやんだら「ほしかったね」と、まず気持ちに共感し、「今日はお金がないから買えないのよ」などと理由を説明することが大事です。

場合によっては、「今度、きたときに買ってあげるね」などと条件をつけてもいいでしょう。

これを繰り返すうちに徐々に「ママパパがダメだと言ったときは買ってもらえない」ということを理解していきます。

もし、大泣きに根負けして渋々買ってあげると、ゴネ得を学んでしまう可能性もあります。
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興味をひきそうな場所に近づかせない

この時期は、ほしがるものがあるところには近づかないのがいちばんです。

ただ、スーパーなど避けられない場所もあります。そういうときは、子どもを乗せるカートがある店を選びましょう。

子どもはなにかを持っているだけで意外と満足するので、ヨーグルトなど、おやつになるものを持たせておくのも方法です。

そのうえで、お菓子売り場などは通らないようにして、ささっと買い物をすませましょう。

また、「約束したのに守れない」と嘆くことがあるかもしれませんね。

でも、1~3歳では、約束の意味を理解できません。

約束しても期待するのは禁物。

もし、ダダコネをしなかったときには「約束が守れてえらかったね」と、ほめてあげましょう。

その積み重ねで「約束を守る大切さ」を学んでいくことができます。
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ママパパにストレスがおきない方法を選んでも大丈夫

毎回店内で親子の大声バトルになっては、いつまでも悩みは解決しませんね。

もし、ママパパが買ったほうが気が楽だと思うのなら、無理に拒絶する必要はありません。

そのせいで「わがままな子になるのでは」と心配する人もいますが、少し成長すれば教育によってガマンの力を培う方法はたくさんあります。

大事なのは、一度「買わない」といったら、それを貫くこと。

そして、もう一つは、購入がOKなときも、NOといって泣いたときも、その理由をきちんと説明していくこと。

買ったり買わなかったりすると、子どもが混乱すると思われがちですが、「今日は○○のごほうびに買ってあげたい」と思えば、その理由を話してプレゼントしてもいいのです。

なにかと手がかかることが多い、1~3歳ですが、「大泣きする子ほど学ぶチャンスは多い」と考えれば、冷静に対応できるでしょう。

文/宇野智子 写真/Adobe Stock
※この記事は幼児誌「げんき」に掲載された記事を再構成したものです。
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わたなべ やよい

渡辺 弥生

教育学博士(発達心理学、発達臨床心理学)

大阪府生まれ。1983年筑波大学卒業。同大学大学院博士課程心理学研究科で学んだ後、筑波大学、静岡大学、途中ハーバード大学客員研究員を経て、法政大学文学部心理学科教授。同大学大学院ライフスキル教育研究所所長兼務。教育学博士。専門は、発達心理学、発達臨床心理学。主な著書に『まんがでわかる発達心理学』、『11歳の身の上相談』(講談社)、『親子のためのソーシャルスキル』(サイエンス社)など。

大阪府生まれ。1983年筑波大学卒業。同大学大学院博士課程心理学研究科で学んだ後、筑波大学、静岡大学、途中ハーバード大学客員研究員を経て、法政大学文学部心理学科教授。同大学大学院ライフスキル教育研究所所長兼務。教育学博士。専門は、発達心理学、発達臨床心理学。主な著書に『まんがでわかる発達心理学』、『11歳の身の上相談』(講談社)、『親子のためのソーシャルスキル』(サイエンス社)など。

げんきへんしゅうぶ

げんき編集部

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