できないのに「自分でやる!」とやりたがって困る 育児の専門家が回答
こんなときどうする? 子育てQ&A#47「まだできないことをやりたがって困っています」
2022.04.27
教育学博士:渡辺 弥生
忙しいママにとっては迷惑なことも。つい「まだムリなんだからダメよ」といいたくなってしまいます。
「まだできないことをやりたがって困っています」(2歳・女の子)
自発的な動機があると子どもは伸びる
ママが忙しいときにかぎって、あれもこれもやりたがり、つい迷惑に感じてしまうこともありますね。
でも、これは、子どもの能力を高めるチャンスともいえるのです。
「自分もやりたい!」という自発的な動機があるときに、それをやることで子どもは大きく伸びるからです。
親ならだれしも、子どもの能力を高めてあげたいと思います。
だから理想的には、むやみに「ダメダメ」といわずに、「スゴイスゴイ」といって、できることはやらせてあげたほうがいいのです。
工夫して遊びとして体験させてあげたい
そういうときに便利なのが、プチごっこ遊びです。
たとえば、「わかった、あとでママと洗濯遊びしようね」「ママのまねっこしてみる?」などといって、遊びの場で楽しませるようにするとよいのです。
また、あわただしい外出前に、洋服のボタンを自分で留めたがって困るなどという話もよく聞きます。
興味をもったときが与えどきなので、大きなボタンがついたバッグなどを使って遊びのなかで練習させてあげると、それが実力になっていきます。
この時期は、完璧にできるわけではないので、意欲を発揮させることが大事です。
ママがうまく演出して、子どもに体験させ、「自分でやった!」「できた!」と満足できる境地にもっていければOKなのです。
危険やマナーを教えるチャンスにもなります
でも、意欲が旺盛なら、それを教えるチャンスも多いということ。
たとえば、お茶をいれたがる、アイロンをかけたがるなどの場合は、「アチチだからダメよ」と危険なことを毅然と教えましょう。
人が並ぶ駅の改札でカードをタッチしたがるなど、周囲の迷惑になりそうな場合も同じです。
1~3歳は、自発的な動機に突き動かされて、見て、聞いて、行動して、知恵や運動能力などさまざまなことを身につけていきます。
子どもが自分からやりたがるときは、学習意欲が高まっているのです!
やらせてあげられない場合は、まねっこなどイメージ遊びに取り入れるなど工夫して、疑似体験のなかで楽しませてあげるといいでしょう。
文/宇野智子 写真/Adobe Stock
げんき編集部
幼児雑誌「げんき」「NHKのおかあさんといっしょ」「いないいないばあっ!」と、幼児向けの絵本を刊行している講談社げんき編集部のサイトです。1・2・3歳のお子さんがいるパパ・ママを中心に、おもしろくて役に立つ子育てや絵本の情報が満載! Instagram : genki_magazine Twitter : @kodanshagenki LINE : @genki
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渡辺 弥生
大阪府生まれ。1983年筑波大学卒業。同大学大学院博士課程心理学研究科で学んだ後、筑波大学、静岡大学、途中ハーバード大学客員研究員を経て、法政大学文学部心理学科教授。同大学大学院ライフスキル教育研究所所長兼務。教育学博士。専門は、発達心理学、発達臨床心理学。主な著書に『まんがでわかる発達心理学』、『11歳の身の上相談』(講談社)、『親子のためのソーシャルスキル』(サイエンス社)など。
大阪府生まれ。1983年筑波大学卒業。同大学大学院博士課程心理学研究科で学んだ後、筑波大学、静岡大学、途中ハーバード大学客員研究員を経て、法政大学文学部心理学科教授。同大学大学院ライフスキル教育研究所所長兼務。教育学博士。専門は、発達心理学、発達臨床心理学。主な著書に『まんがでわかる発達心理学』、『11歳の身の上相談』(講談社)、『親子のためのソーシャルスキル』(サイエンス社)など。