TikTok33万人のママ芸人・竹田こもちこんぶ 4男児の壮絶な子育てでも怒らない理由
4男児のママ芸人・竹田こもちこんぶインタビュー#1 「毎日の子育て」
2023.10.03
芸人:竹田 こもちこんぶ
「すべての母に捧げる応援歌。歌わないけど」と掲げつつ、リアルを極めた育児ネタが、多くの母親たちの共感を呼んでいます。
2014年に35歳で長男、2017年39歳で次男、2019年40歳で三男、2021年42歳で四男出産。9、6、4、2歳の4兄弟の母で、今年(2023)9月に第5子出産予定の竹田さんをインタビュー。「道草には意味がある」と竹田さんが信じるワケとは。
大学在学中から演劇を始め、闘病を機に舞台俳優・芸人に。劇団仲間の夫と結婚、2014年に第1子出産後、夫の故郷である静岡県富士市へ移住。笑いと涙を誘うTikTokの投稿は、子育て世代の大きな反響を呼びフォロワーは約33万人(2023年6月現在)に。
朝ごはんは格闘技並みの修羅場
2022年12月には、女性芸人が競い合うコンテスト番組『女芸人No.1決定戦 THE W 2022』(日本テレビ系)で準決勝敗退。2023年1月1日放送のぐるナイの『おもしろ荘2023』(日本テレビ系)では出演芸人10組の1組に選ばれました。
独身時代に舞台役者を目指した後、芸人に。鳴かず飛ばずだったものの、その後の妊娠中から産後まで、あるときは乳飲み子を抱っこしながらも『R‐1グランプリ』(カンテレ・フジテレビ系)に出演し続けました。
SNSで発信する動画は、子育ての合間に自宅で撮影。4男児の子育てと芸人業を兼ねる竹田さんはどのような一日を過ごしているのでしょうか。リアルな日常に迫ります。
竹田こもちこんぶさん(以下、竹田さん):「午前4時半に起きてネタを考えます。投稿を始めた当初(2020年)はまだ子どもが3人で、寝かしつけてからネタを考えていたんです。でも一昨年(2021)に4人目が生まれ体力がなくなってしまって、夜は子どもと一緒に午後8時半には寝落ちします。
長男が6時に起きてくるまでの1時間半が自分の時間。家事もせず机に向かいます。でもね、2歳の四男が起きてきちゃうんですよ。早いと5時起き(笑)。そうなると自分時間はないです」
竹田さん:「家族が起きてきたら朝ごはんを作って、洗濯や片付けをします。ですが、下の2人が何かしら介入してくるから、スムーズに進まない。たくさんの障害物をくぐり抜けてやっと朝食完了! 格闘技みたいな感じです。
それから徒歩で次男と三男を幼稚園へ登園させるのですが、やっと家を出たと思ったら、道草! 特に激しいのが三男です。
まずマンションの1階まで降りる間に道草があるんです。階段で途中まで降りて、次にエレベーターに乗り換えて、また階段……の繰り返し。とても複雑に下まで降りるんです。今日は1階まで降りたあと、なぜかまた4階に上がって、そこから手を振ってきました(笑)。
やっと降りたと思ったら、次は公園ですべり台。『1回だけだよ』って約束するんですけど、1回で終わらないですね。するとベビーカーの四男までベルトを外せ外せのアピール。でも外さないですよ。絶対ベビーカーに戻ってこないですから(笑)。
帰り道も、座り込んだり、裸足になりたがったり、道草だらけ。基本的には徒歩なので、雨だとびしょ濡れにもなりますが、しょうがないなと見過ごしています。専業主婦だからできるのかな、というスケジュールですね」
大人が失った豊かさが道草にある
竹田さん:「イラッとすることもありますが、『道草には意味がある』って信じてるんです。子育てしているうちに、道草自体がとても大事な学びである、と思えるようになりました。
道草って、大人は価値があると思えないことだらけじゃないですか。石を拾ったり、それを持ち帰りたいと言い張ってみたり、取り合ってみたり。そこにうらやましさもあるんです。
私はもう、大人になってしまった。物やお金、名声といった物質的なところに価値を置いている。でも子どもはそうじゃない。身近なところで楽しいこと、おもしろいことが見つけられている。4人を育てているうちに、『そこに価値があるんだ』って分かり始めたんです。
子どもたちは、たんぽぽをふぅっと吹くだけで、テンションが上がって、何かが満たされる。だとしたら、目の前の興味に目を輝かせる『今』が、とても貴重な時期で、過ぎてしまうと二度と手に入らない時間なんだと思います。
そのうちたぶんコイツらも、お金や物といった物質的なものに流れていくんでしょうが(笑)」