「子どもの熱中症」4つの予防ポイント【現役小児科医による救急相談室】

現役小児科医テルの「子どもの救急相談室」#27

小児科医:小児科医 テル

イラスト:原あいみ
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テル先生は総合病院に勤務する18年目の現役小児科医。子どもがかかりやすい病気や注意したい事故・身の回りの危険、気になる子どもの発達など、子どもの「もしも!」に備えるママパパ必見のヘルスケア情報をご紹介します。

今回は、油断できない「熱中症」について、注意すべき症状4つのポイントについて解説します。
熱中症は、体温の上昇によって体温調節機能のバランスが崩れ、体内に熱がこもることで発症します。

屋外では帽子を使用、日陰に入ってこまめに休憩、水分を取るなどのほか、以下4つのポイントに注意しましょう。

(1)顔色、汗のかき方を見る

子どもの熱中症を疑うポイント
・子どもの顔が赤い
・ひどく汗をかいている
このような様子は、体の深部体温(体の中心の温度)が高くなっている証拠です。

子どもは地面からの照り返しの影響が強く、大人より暑い環境にいます。

気温が高い日に外出する場合、身長の低い幼児は大人よりも危険な状態になります。通常気温は地面から150cmの高さで測ります。

気温が32℃のとき、幼児の身長(50cm)では35℃を超えます。大人が暑いと感じているときは、幼児はさらに高温の環境にいることになります。

すぐに、涼しい場所に移動し、休ませて水分をとりましょう。

(2)水分を自分でとるように指導する

子どもは遊びなどに夢中になって、つい水分をとることを忘れてしまいます。自分で「喉が渇いた」と思ったときは、すでにかなりの水分が失われています。

喉がかわいたら子どもが自分で水分をとれるよう、普段から指導しましょう。大人が水分をとるタイミングを教えてあげましょう。汗をよくかくスポーツでは、水分補給タイムを作りましょう。

(3)暑さに慣れておく

日頃から外で遊んで暑さになれることも予防方法のひとつです。これを暑熱順化(しょねつじゅんか)といいます。

クーラーのよく効いた涼しい環境でばかり過ごしていることも、熱中症の原因となります。突然暑い場所でスポーツや運動など体を動かすことは危険です。

(4)適切な服装を選ぶ

小さい子どもは、正しい服装を選ぶ知識が十分にありません。親御さんは、気温に合わせて着させる服装のポイントを意識しましょう。

【服を選ぶポイント】
・熱を放散できる服
・環境に合わせて服を着る、ぬげるか

少しの油断が重大事故につながる

これからさらに暑く、湿度も高くなって熱中症が増えていきます。

子どもの車中に置き去りによる事故が、子どもの死亡事故が後を絶ちません。「車でぐっすり眠っていて起こすのはかわいそう」と、クーラーを入れた車のなかに置き去りにはしないでください。

エンジンをかけたままでも、暑い場所では自動車がオーバーヒートしてエンジンが停止。車中はすぐに高温になります。

「少しの間なら」「いつも大丈夫だから」と過信せず、注意した行動をとりましょう。
記事監修:小児科医テル
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しょうにかい てる

小児科医 テル

Shonikai Teru
小児科専門医

総合病院に勤務する17年目の小児科医。「親や、子どもに関わる人たちに正しい医療の知識をしってもらいたい」と思い、2018年からInstagramを中心にSNSで、子どもの健康について情報発信している。 Instagram:https://www.instagram.com/shonikaikuji/ YouTube:https://www.youtube.com/@shonikaiTERU

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げんきへんしゅうぶ

げんき編集部

幼児雑誌「げんき」「NHKのおかあさんといっしょ」「いないいないばあっ!」と、幼児向けの絵本を刊行している講談社げんき編集部のサイトです。1・2・3歳のお子さんがいるパパ・ママを中心に、おもしろくて役に立つ子育てや絵本の情報が満載! Instagram : genki_magazine Twitter : @kodanshagenki LINE : @genki

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