「大事な日に転ぶ2歳」 原因は靴のサイズ?【専門家がアドバイス】

「なぜ?」と感じる、ちょっと気になる、うちの子の不思議な行動や気質……etc.その世界の専門家に聞くシリーズ第40回。

げんき編集部

お風呂の時間はいつも大泣き……
「最近体がしっかりしてきて走れるようになったのですが、そのぶん転びまくってケガが増えてます。保育園でイベントがあるときほど登園時に転びます。せっかく楽しい気持ちで出かけたのに、泣きながら保育園に到着することになります」(2歳11ヵ月・女児)

子どもの靴のサイズを確認しましょう。

2歳11ヵ月では体をスムーズに動かす能力がまだ未熟ですし、筋肉も発達途上なので「気持ちに体がついてきていない」という状況なのでしょう。

どの子も「走っては転んで」を繰り返しながら運動ができるようになっていくので、正常な発達のプロセスだと思います。体を動かす筋肉は発達しても体幹の筋肉は未発達だと、バランスをとることが難しく、つまずきそうになったときに次の足をぱっと出すという咄嗟(とっさ)の判断や、障害物を回避することはまだできないのかもしれませんね。

意外と「靴のサイズが足に合っていないのが転ぶ原因」だったりするので、確認してみてください。

子どものころは「すぐ大きくなるから」と大きな靴を履かせがちです。ですが、まだ運動能力が低いところにブカブカの靴を履いていては重心が定まらず転びやすくなると思います。ジャストサイズの靴を履いているか確認して、履かせるようにしてみてください。
忙しい朝でも、なるべく落ち着いて

落ち着いて行動しながらも、しっかり体を動かして。

心理的な面から言うと、「イベントがあるときほど転ぶ」のは、「楽しいことがあるから早く行きたい」と興奮して不注意になっているのだと思います。イベントがある日はいつもよりゆっくり行動するようにしてみてください。

「今日は楽しみだね。ケガしないように落ち着いていこうね」と、手をつないでゆっくり歩くようにする。子どもは自分の精神状態を冷静に判断できませんから、親御さんがお子さんの気持ちを察知して行動をサポートし、ケガしないように予防するといいと思います。いっしょに「1、2、3、4」とゆっくり慎重に歩いたり、フーッと深呼吸をしても良いですね。

子どもたちは楽しみなことがあると気持ちが抑えられず、「行きたい行きたい」「やりたいやりたい」と急いだり、まわりに目が行かなくなったり、その気持ちが行動にストレートに影響してしまいます。

「ほかの子はそんなことしないのに」と比べてしまうこともあるかもしれませんが、体の発達には個人差が大きいです。ケガを恐れて大人しくさせるのではなく、しっかりと体を動かしましょう

もう少し体が成長してきたら、ケガすることも自然と減ってくると思います。また、心も体も自分で調節する力も伸びていきますよ!
子どもの発達心理学の専門家
渡辺 弥生先生
イラスト/とやまちさと 取材・文/久世恵美
写真:pearlinheart/PIXTA(ピクスタ)
げんきへんしゅうぶ

げんき編集部

幼児雑誌「げんき」「NHKのおかあさんといっしょ」「いないいないばあっ!」と、幼児向けの絵本を刊行している講談社げんき編集部のサイトです。1・2・3歳のお子さんがいるパパ・ママを中心に、おもしろくて役に立つ子育てや絵本の情報が満載! Instagram : genki_magazine Twitter : @kodanshagenki LINE : @genki

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