あの日、あの時、胸躍らせて目撃したのは何だったのか? 今回取り上げるのは「9月28日」(1973年)。
白鳥健一少年は、中学生にいじめられている子どもを助けようとするが、中学生の矛先は健一に向いてしまう。しかし、子どもを助けたことで暴力を振るわれる健一を、いっしょにいた友人の竹雄はかばわずに知らないふりをする。その後、怪獣・ムカデンダーが現れ、竹雄の父親である仙吉は重傷を負ってしまう。
ウルトラマンタロウが健一少年に勇気を与える!
すると、ふたりは小学生をいじめる中学生の集団に遭遇し、竹雄は目を合わせないようにしてその場を通り過ぎようと話す。中学生は小学生の少年が持っていたウルトラマンタロウのお面を奪い、放り投げられたそのお面が健一たちの足元に落ちてくる。タロウのお面を見たことで勇気を出した健一は、中学生にいじめをやめるよう叫んだのだった。
しかし、それにより矛先が健一に向き喧嘩がはじまってしまう。一方、竹雄は喧嘩を止めることも、健一に加勢することもしない。すると、そこに竹雄の父親である仙吉がやってきて、中学生たちを追い払う。その男性は、仙吉はただ見ているだけだった竹雄を𠮟るが、竹雄は「どうせ中学生には敵わない」と言葉を返す。一方、健一は「あのお面を見なければ、卑怯者になるところだった」とつぶやき、小学生にお面を渡したのだった。そこに、パトロールをしていた光太郎と北島哲也隊員がやってくる。
「父親は社長だ」と話していた竹雄だったが、仙吉の本当の職業は紙芝居の読み聞かせだった。「親の仕事を他人に自慢できない」と話す竹雄だったが、健一や北島はそれも立派な仕事だと考える。先ほどの中学生との一件も含め、機嫌を悪くする竹雄だったが、健一はそんな彼に「僕が悪かった」と謝り、一緒にお祭りへ向かったのだった。仙吉は自分で絵を描いた紙芝居を披露している。その内容はこの地に存在する伝承についてだった。