地域の子どもたちに喜んでもらうために

講談社に「全国訪問 おはなし隊」がやってきた!

本とあそぼう 全国訪問おはなし隊

©本とあそぼう 全国訪問 おはなし隊  講談社(東京都文京区)に到着したキャラバンカー「もも号」
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「CSR(企業の社会的責任)」という言葉が叫ばれて久しいです。たとえば自動車大手のトヨタは、本社のある愛知県豊田市で「トヨタの森」という環境学習施設を運営しています。また、そこまで大掛かりではなくとも、工場がある地域の学校を招いての会社見学会や、社員が本社周辺の清掃活動に定期的に取り組んでいる会社も多いでしょう。

今回は「全国訪問 おはなし隊」を運営している講談社が、本社のある東京文京区の保育園を招いて開催した「おはなし会」の様子をリポートします。

読み聞かせと会社訪問を同時に

2台のキャラバンカーで全国を訪問している「おはなし隊」。延べ走行距離は113万キロメートルを超えており、これは地球27周ぶん(!)に相当します。逆に言えば、普段、おはなし隊のキャラバンカーが講談社に駐まっていることは、まずありません。

そこで年2回ほど行っているのが、本社敷地内にキャラバンカーを置いて、読み聞かせと会社訪問を同時に行う「おはなし隊in講談社」。

講談社本館の白とキャラバンカーのピンクがいい感じ

今回は12月12日、13日、19日、20日と4回にわけて、文京区の四つの保育園をお招きすることになりました。

実は「おはなし隊」のキャラバンカーは、可愛らしい見た目と裏腹にとても大きくて、高さ3・5メートル、全長8メートルもあります。ですから、大きな敷地を持つことが難しい東京都内の保育園のなかには、「おはなし隊」に来てもらいたくても、キャラバンカーが大きすぎて、敷地に入れないから諦めざるを得ないところもあるのです。

そこで、過去に「おはなし隊」訪問にご応募いただいたにもかかわらず、いろんな事情でうかがえなかった近隣の保育園にお声を掛けました。

「35分かけて、歩いてきました」

トップバッターは文京区立水道保育園の園児さんたち。

「近隣」とはいえ、引率の先生にお尋ねすると「35分くらいかけて、歩いてきました」とのこと。

それでも園児さんたちは元気いっぱい。初めて見るキャラバンカーを前に、目を輝かせています(園とのお約束で、園児さんたちの写真を掲載できないのが残念!)。約30分の見学では、キャラバンカーに積まれた550冊あまりの本を思い思いに本棚から取り出しています。

ひとりで黙ってページをめくる子、仲良しの子とわいわい言いながら一緒に読んでいる子、引率の先生に読み聞かせをしてもらっている子もいます。

その後は社内に移動して、読み聞かせが行われる会議室へ。エントランスに飾られたクリスマス・ツリーや、巨大スクリーンに興味津々の様子です。先生たちも当然、社内に入ったことはないので、園児さんたちと同じように「すっごく大きなツリーだね」などと驚いています。

読み聞かせ会場では、本日の読み聞かせを担当する牧野博美隊長と堤暢子隊長がお出迎え。

堤隊長が「キャラバンカーのなかで気に入った本はありましたか?」と尋ねると、口々に本の名前が挙がりました。

声を合わせて「がったい!」「だめー」

読み聞かせで最初に読んだのは、クリスマス・シーズンに合わせ『ツリーさん』(作:新井洋行、講談社刊)。同書はこの時期、読み聞かせの定番です。

続いて取り上げたのが、最近大人気の『がったい!』(作:こにしけい、たなかけんた、絵:萬田翠、出演:トム・ブラウン)。

やはり、この本は水道保育園の園児さんたちにも大好評、「がったい」「だめー」と本に合わせて大声で一緒に読んでくれます。

『もったいないばあさん』の大型本にビックリ!

お次はみんな大好き『もったいないばあさん』(作:真珠まりこ)。2004年に刊行された同書はシリーズ累計100万部超、いまや中国、韓国、フランス、インド、ベトナムなど世界中で読み継がれています。

ただし、今回の「もったいないばあさん」はただの本ではありません。

牧野隊長「みんなで、『大きくなぁれ』って、3回言ってみよう!」

園児さんたち「大きくなぁれ、大きくなぁれ、大きくなぁれ」

じゃーん! 取り出したのは読み聞かせ用に特別に作られた巨大絵本。隊長さんたちが二人がかりでページをめくります。

特注の「もったいないばあさん」大型本。大迫力です

その後はアニメが人気の『いっきんず』の紙芝居を、みんなで楽しみました。

「特別にゲストの方に来てもらっています!」

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