
【就学相談】子どもの「発達」気になる保護者のために 「支援級と普通級どう決まる?」「今すぐできる準備と段取り」 専門家がわかりやすく解説
2025.05.27
見学時に確認するポイント

支援級を見学する場合は、入学後の保護者の関わりについて確認しておきましょう。
「校門まで付き添う」「最初のうちは下駄箱まで付き添ってサポートする」など、学校によってさまざまです。
また、見学後に質問したいことがある場合、学校・教育委員会のどちらが窓口になるか、といった細々としたことも確認できると良いですね。
実際に通っている先輩家庭からの話も一つの参考になりますが、最終的な判断はお子さんの特性に基づいて行うことがおすすめです。
関わる人全員が“その子の幸せ”を願っている
小関先生は、「就学相談は『決定』ではなく『話し合いの場』。関わる人は皆、子どもの幸せを願い、最適解を考えています」と教えてくれました。
就学は目先のことではなく、将来を見据えた選択です。
今の子どもの状態だけでなく、5年後・10年後、そして成人後の姿も想像して考えましょう。
「園の先生やかかりつけの小児科医、自治体の窓口など、相談できる相手は、実はたくさんいるのです。ひとりで抱え込むとモヤモヤや不安が大きくなってしまうもの。まずは親御さん自身の今の思いや希望、不安を言葉にしてほしい」と小関先生。
子どもにとってよりよい未来をつくるチームとして、就学相談を活用してみませんか。
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「就学相談」について、小関俊祐先生(桜美林大学リベラルアーツ学群准教授)にお話を伺う連載は前後編。
「就学相談」の基礎知識と、迷ったときのチェックポイントについて解説した前編に続き、今回の後編では、就学相談に臨む段取りを詳しく説明しました。
●小関俊祐(こせき・しゅんすけ)
公認心理師/臨床心理士/専門行動療法士/指導健康心理士
認知行動療法スーパーバイザー、日本ストレスマネジメント学会認定ストレスマネジメント®実践士。
日本認知・行動療法学会理事および企画委員長、一般社団法人公認心理師の会理事および教育・特別支援部会長、日本ストレスマネジメント学会常任理事および研究委員長、アース・キッズ株式会社/スタジオそら/発達障害療育研究所の顧問等を務める。
近著に「園生活での子どものストレス対処法 子どもと一緒に取り組む」(中央法規)、「事例で学ぶ教育・特別支援のエビデンスベイスト・プラクティス」(金剛出版)など。
(取材・文/中村藍)
【参考】
文部科学省「通級による指導の概要について」
文部科学省「共生社会の形成に向けたインクルーシブ教育システム構築のための特別支援教育の推進(報告) 概要」
スタジオそら
小関俊祐先生の本

子どもの特性に寄り添う児童文学
発達や特性は人によってそれぞれ違い、1人として同じ子どもはいません。多感な時期の子どもに寄り添う、児童文学作品を紹介します。

みんな、「困った子」なんかじゃない。「困っている子ども」なんだ。それぞれの生きづらさを抱える子どもたちが、自らの個性とともに生きる楽しさに気づいていく物語。

長年、特別支援学校で教師をつとめる著者が描く、優しい物語。重度の知的障がいのある小五の女の子・すずと、お兄ちゃん、同級生、先生、保護者たちなど周りの人をめぐるストーリー。第60回野間児童文芸賞受賞作品。

色覚障がいが発覚し苦しむ信太朗。眼科の先生は個性のひとつと言ってくれるけれど、まわりがそうはとらえてくれない。しかし、教師との関係の変化で、信太朗は自分の気持ちがすこしずつ変わっていくことに気が付いて…。
第71回青少年読書感想文全国コンクール課題図書(小学校高学年の部)選定作品。
特別支援学校の入試問題に採用された本

琴の浦高等特別支援学校(鳥取県)、大垣特別支援学校(岐阜県)の入試問題(2025年度)に採用されました

琴の浦高等特別支援学校(鳥取県)の入試問題(2025年度)に採用されました

中村 藍
1978年宮城県出身。小学校(通常の学級/特別支援学級)・特別支援学校(小学部・高等部)の教員として20年以上にわたり教育経験を積む。退職後、教育関連のWebメディアや雑誌への寄稿・監修、書籍執筆を行う。発達支援や教育DX、不登校、受験などの分野において、教育現場や官公庁、当事者への取材多数。 【URL】 ポートフォリオサイト https://ainakamura.edire.co/ ブログ「てとて~みんなの発達支援相談室」 https://tetote-tama.com 著書『発達障害&グレーゾーンの子 小学校生活の困りごと解決Book 学校の先生が教える!発達が気になる子のための困りごとヒント1』 https://amzn.to/3GVGKii
1978年宮城県出身。小学校(通常の学級/特別支援学級)・特別支援学校(小学部・高等部)の教員として20年以上にわたり教育経験を積む。退職後、教育関連のWebメディアや雑誌への寄稿・監修、書籍執筆を行う。発達支援や教育DX、不登校、受験などの分野において、教育現場や官公庁、当事者への取材多数。 【URL】 ポートフォリオサイト https://ainakamura.edire.co/ ブログ「てとて~みんなの発達支援相談室」 https://tetote-tama.com 著書『発達障害&グレーゾーンの子 小学校生活の困りごと解決Book 学校の先生が教える!発達が気になる子のための困りごとヒント1』 https://amzn.to/3GVGKii
小関 俊祐
公認心理師 / 臨床心理士 / 専門行動療法士 / 指導健康心理士 認知行動療法スーパーバイザー、日本ストレスマネジメント学会認定ストレスマネジメント(R)実践士。 日本認知・行動療法学会理事および企画委員長、一般社団法人公認心理師の会理事および教育・特別支援部会長、日本ストレスマネジメント学会常任理事および研究委員長、アース・キッズ株式会社/スタジオそら/発達障害療育研究所の顧問等を務める。 近著に「子どもと一緒に取り組む園生活での子どものストレス対処法」(中央法規)、「事例で学ぶ教育・特別支援のエビデンスベイスト・プラクティス」(金剛出版)など。
公認心理師 / 臨床心理士 / 専門行動療法士 / 指導健康心理士 認知行動療法スーパーバイザー、日本ストレスマネジメント学会認定ストレスマネジメント(R)実践士。 日本認知・行動療法学会理事および企画委員長、一般社団法人公認心理師の会理事および教育・特別支援部会長、日本ストレスマネジメント学会常任理事および研究委員長、アース・キッズ株式会社/スタジオそら/発達障害療育研究所の顧問等を務める。 近著に「子どもと一緒に取り組む園生活での子どものストレス対処法」(中央法規)、「事例で学ぶ教育・特別支援のエビデンスベイスト・プラクティス」(金剛出版)など。