【小魚を食べつくす】「MOTTAINAI」 台所から未来の子どもを支えるごはん
もったいない・つづけられる・伝統食! #6【小魚】「子どもと楽しむ小魚料理」
2023.05.22
ライター・料理家:越野 美樹
「食べたいものは自分で作る!」をモットーに、料理家・越野美樹さんが「日本の伝統食材」を使ったレシピを提案する連載。
ロハス、エシカル、SDGsなどのオシャレな横文字ではなく、毎日のベタでリアルな生活の中から生まれた身近な知恵……。
小さい子がいて忙しくても、ゆるく続けられる台所仕事の「MOTTAINAI」を、具体的な実践方法を交えてお伝えします。
6回目のテーマは、「小魚」。
ちりめんじゃことチーズのカリカリ焼き、煮干しの南蛮漬け、しらすトーストといった、子どもも無理なく美味しく食べられる3品をご紹介します。
思わず一緒に作りたくなる「お手伝いポイント」も載せていますので、親子で一緒に楽しんでくださいね。
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成長期の子どもに必要な栄養がたっぷり含まれた小魚
頭から尻尾まで丸ごと食べられる小魚には、EPAやDHAなどの不飽和脂肪酸やカルシウムなど、子どもの成長に必要な栄養素がたくさん含まれています。
しらすやちりめんじゃこ、煮干しなどの小魚は、干すことでさらに栄養素が増えます。
乾燥して水分が少なくなったことで保存性も高まり、使い勝手の良い小魚。
ご飯や麺に合わせたり、和え物や炒め物に加えたりと、意識して使うことで不足しがちな栄養素を補うことができます。
また、干した小魚には旨みが凝縮されているため、お料理に使うと少量でも出汁がしっかり感じられます。
我が家では、小魚を納豆に入れたり、サラダや和え物、炒め物、揚げ物にしたり、少量ずつ毎日のようにいただいています。
しっかり干した小魚は日持ちがするのでお弁当にも便利で、ご飯にのせたり、あとからおかずにふりかけたりすることもありますし、メイン料理にすることもあります。
今回は小魚のお料理を3品ご紹介しますが、その前に小魚の種類と使い方をみてみましょう。
小魚の種類と使い方
干した小魚には、いろいろな種類があります。
しらす干し
カタクチイワシ、マイワシ、ウルメイワシなどのいわしの稚魚を釜ゆでし、少し乾燥させたもの。ご飯にのせたりして、そのまま食べることが多いです。
ちりめんじゃこ
しらす干しをしっかり乾燥させたもので、日持ちがします。その名前は縮れた布に似ていることから「ちりめん」を、いろいろな魚が混じっている「雑魚(ざこ)」からとったといわれています。そのまま食べるほか、和え物や炒め物などの副菜によく使われます。
かえりちりめん
3〜5cmのいわしを干したもの。大きいいわしと同じように鱗もあり、頭が銀色になっています。ちりめんじゃこと同じように使えますが、佃煮やふりかけにすることが多いです。
小女子(こうなご)
いわしではなく、スズキ目のイカナゴの稚魚。春先に獲れる稚魚を使った佃煮は、煮上がった姿がさびたくぎに似ていることから、「くぎ煮」と呼ばれています。
田作り(ごまめ)
5〜6cmのカタクチイワシを洗って、茹でずに干したもの。フライパンやオーブンで炒ってから使います。お正月のおせち料理の三つ肴(みつざかな)のひとつで、田んぼの肥料に使われていたことから、豊作を願って五万米(ごまめ)とも呼ばれます。
煮干し(いりこ)
5〜10cmのカタクチイワシを釜茹でしてから干したもの。主に出汁に利用されますが、炒ったり揚げたりするとお料理にも使えます。10cm以上の魚は、そのまま食卓に出まわります。
今回は、手に入りやすいしらす干し、ちりめんじゃこ、煮干しを使った、子どもが喜ぶ3種類のレシピをご紹介します。