【お麩を楽しむ】「MOTTAINAI」 台所から未来の子どもを支えるごはん
もったいない・つづけられる・伝統食! #5【麩】「子どもと楽しむお麩料理」
2023.04.21
ライター・料理家:越野 美樹
「食べたいものは自分で作る!」をモットーに、料理家・越野美樹さんが「日本の伝統食材」を使ったレシピを提案する連載。
ロハス、エシカル、SDGsなどのオシャレな横文字ではなく、毎日のベタでリアルな生活の中から生まれた身近な知恵……。
小さい子がいて忙しくても、ゆるく続けられる台所仕事の「MOTTAINAI」を、具体的な実践方法を交えてお伝えします。
5回目のテーマは、「お麩」。
麩ドーナツ、お麩カツ丼、お麩のたこ焼き風といった、簡単に作れて子どもも美味しく食べられる3品をご紹介します。
思わず一緒に作りたくなる「お手伝いポイント」も載せていますので、親子で一緒に楽しんでくださいね。
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植物性たんぱく質がたっぷり含まれたお麩
日本で昔から使われてきたヘルシーな食材、お麩を見直してみませんか?
お麩の原料のグルテンは、小麦粉に水を加えて練り、揉んでからでんぷんを洗い流した植物性の高タンパク食品。
精進料理では、豆製品と同じく、タンパク源として重宝される食材です。
お麩はその製法によって、生麩、焼き麩、油麩などの種類があります。
生麩は、焼いて醤油をまぶすだけでモッチモチで美味しくいただけますし、油麩は戻して卵とじにするだけで、親子丼のような満足感があります。
お麩の中でも、焼き麩は安価で手に入りやすい食材です。
焼き麩というと、味噌汁やお吸い物が思い浮かぶのではないかと思いますが、意外と子どもが喜ぶお料理も作れます。
娘が小さいときには、焼き麩をフライパンで炒めてカレー粉をまぶしたり、メープルシロップをまぶしたおやつを作っていたこともありました。
焼き麩は、戻さずにそのまま食べてもなかなか美味しいので、試してみてくださいね。
今回は、手に入りやすい焼き麩を使ったレシピをご紹介します。
その前に、焼き麩の基本の使い方をお伝えしますね。
お麩の種類と使い方
焼き麩には、車麩、板麩、おつゆ麩、もち麩、手まり麩などがあります。
焼き麩は、熱湯につけると戻らず硬くなってしまうので、水もしくはぬるま湯で戻すのが基本です。
特に、車麩や板麩などのしっかりした焼き麩は戻してから使いますが、小型のお麩はそのままスープやおみそ汁に入れてもOKです。
戻したお麩は、煮物だけでなく、炒め物や揚げ物、スイーツにも使えます。
お麩は地味なイメージがあると思いますが、工夫次第でボリュームのあるお料理やお菓子が作れますよ。
ふわふわ! もちもち! カリカリ! お麩のさまざまな食感をいかした、子どもが喜ぶお麩のお料理3品をご紹介します。
「麩ドーナツ」のレシピ
【材料】2人分
車麩 2枚
きな粉 大さじ1
砂糖 小さじ1
チョコレート 50g
お好みの油 適量
刻んだナッツやドライフルーツ 適量
【お手伝いポイント】
お麩を焼き、きな粉をまぶしたり、チョコレートをコーティングするのを手伝ってもらいましょう。
【作り方】
1. ボウルにきな粉と砂糖を入れて混ぜておく。
2. チョコレートは細かく刻み、ボウルに入れておく。
3. 鍋にお湯(分量外)を沸かして50〜55℃にし、2を鍋に重ねて入れ、ヘラで混ぜながらなめらかになるまで溶かす。
4. フライパンにお好みの油を底から2cmほど入れて180℃に熱し、車麩の両面をきつね色になるまで焼く。
5. 4をそれぞれ1と3に入れ、よくまぶす。チョコレート味には、刻んだナッツやドライフルーツをお好みでのせる。
車麩はドーナツ型を楽しめますが、少し硬めです。
おつゆ麩などは小さい子にも噛み砕きやすく、大さじ2程度の油で転がしながら焼けるので、さらに簡単に作れます。