“カラフルな魔女”角野栄子さんの幸せな暮らしの秘訣は「好き」と「自由」
映画『カラフルな魔女~角野栄子の物語が生まれる暮らし~』と「魔法の文学館」で角野栄子さんの作品世界を堪能する
2024.03.01
子どもの好奇心を刺激するしかけがいっぱい! 『魔女の宅急便』の舞台「コリコの町」をイメージした「魔法の文学館」
映画を観て「角野さんのお家が素敵」と思ったらぜひ訪れてほしいのが、2023年11月にオープンした「魔法の文学館」。
建築家の隈研吾さんの設計による3階建ての建物は、「フラワールーフ」と名付けられた、屋根は花びらが広がるようなデザインが特徴。周囲の景観と調和しつつ、建物の外と中を繫ぎ、子どもたちの想像力と創造力がふくらむような工夫がされています。
日光が注ぐ大きなガラスの窓、小さな小窓から見える「いちご色」の部屋など、建物に近づくほどに心がワクワク♪芝生の上で寝転がって本を読む子どもたちもいて(館内で手続きをすると、屋外に本の持ち出しが可能)、その自由な読書スタイルは見ていて気持ちよさそう。手前の柵の中にはかわいいポニーがいて、乗馬もできます。
『魔女の宅急便』の舞台「コリコの町」をイメージした1階
扉を開けると、視界いっぱいに見事な「いちご色」の世界が広がります。『魔女の宅急便』の舞台「コリコの町」をイメージしたもので、お家の小窓を覗くと“しかけ”が発動。「こっちの窓にはなにがあるんだろう?」と好奇心が刺激されます。
本棚のお家には、角野さんの著作はもちろん、角野さんが自ら選んだ世界の児童書や絵本が収めれてています。蔵書は、1階の「コリコの町の本棚」と2階の「ライブラリー」を合わせて約1万冊! 子どもが自由に選んで、好きな場所でゆっくりと楽しめるように、あえて分類されていないところもポイント。つまり「どこに戻してもイイ」という自由が味わえるということで、片付けが苦手な人も、逆に分類魔な人にもうれしい仕様。
ほかにも1階には、壁いっぱいに映像が映し出される4面シアター「黒猫シアター」があります。ちょっと隠れた場所にあるので、探検気分で親子で見つけっこしてみてください。ヒントは「黒猫のシルエット」。黒猫に導かれて進むなんて、魔女になった気分ですね♪
2階はアトリエと企画展ギャラリー
2階には、角野さんの仕事場を模した「栄子さんのアトリエ」が。デスクには直筆原稿や絵の具などの文房具、棚には愛読書や角野さんが旅先で集めたかわいくて美しい小物たちが置かれています。「映画で映った小物があるかしら?」なんて、探し物遊びもできそうです。
半年ごとに変わる企画展、第1回は「魔女まじょ展」
2階のギャラリーでは、角野さんや児童文学に関する企画展を、半年ごとに開催。第1回は、角野さんが魔女を研究するために世界各国を旅の記録をまとめた『魔女に会った』(福音館書店)を題材にし、角野さんが買い集めた“魔女人形”コレクションと、旅に同行したみやこうせいさんが撮影した写真を展示しています。
企画展「魔女まじょ展」の開催は2024年4月8日まで。怪しくもおもしろい、魔女の秘密を覗いてみませんか。
100点のオリジナルグッズがそろうショップと『おばけのアッチ』をイメージした料理を味わえるカフェ
3階の「カフェ・キキ」は、旧江戸川を望む最高の見晴らしが楽しめる明るい空間。『おばけのアッチ』に登場する「レストランひばり」のメニューをイメージしたお料理に舌鼓をうった後は、1階のショップでお買い物。
キャラクターグッズや、角野さん愛用のアトリエコートなど、ここでしか手には入らないグッズ約100点がそろっています。もちろん角野さんの著作も買うことができるので、本棚やライブラリーで気に入った作品を購入すれば、お家に帰った後もずっと、“カラフルな魔女”の魔法にかかったまま過ごせそうです。
〈施設概要〉
「魔法の文学館」(江戸川区角野栄子児童文学館)
所在地:東京都江戸川区南葛西7‐3‐1 なぎさ公園内
開館時間:9:30~17:30(最終入館は16:30まで)
休館日:毎週火曜日、年末年始(12月29日~1月3日)
入館料:一般(15歳以上)700円、子ども(4歳~中学生)300円
入館方法:事前予約制(インターネットでの日時指定申し込み)
詳細は公式サイトをご覧ください。
角野 栄子
1935年東京・深川生まれ。大学卒業後、出版社勤務を経て24歳からブラジルに2年滞在。その体験をもとに描いた『ルイジンニョ少年 ブラジルをたずねて』で、1970年作家デビュー。 代表作『魔女の宅急便』は舞台化、アニメーション・実写映画化された。産経児童出版文化賞、野間児童文芸賞、小学館文学賞等受賞多数。その他、「アッチ、コッチ、ソッチの小さなおばけ」シリーズ、『リンゴちゃん』『ズボン船長さんの話』。紫綬褒章、旭日小綬章を受章。2016年『トンネルの森 1945』で産経児童出版文化賞ニッポン放送賞、18年3月に児童文学の「小さなノーベル賞」といわれる国際アンデルセン賞作家賞を、日本人として3人目に受賞。 2023年には、江戸川区に「魔法の文学館」がオープンした。 写真提供:魔法の文学館 童話作家・角野栄子のオフィシャルサイト 魔法の文学館オフィシャルサイト
1935年東京・深川生まれ。大学卒業後、出版社勤務を経て24歳からブラジルに2年滞在。その体験をもとに描いた『ルイジンニョ少年 ブラジルをたずねて』で、1970年作家デビュー。 代表作『魔女の宅急便』は舞台化、アニメーション・実写映画化された。産経児童出版文化賞、野間児童文芸賞、小学館文学賞等受賞多数。その他、「アッチ、コッチ、ソッチの小さなおばけ」シリーズ、『リンゴちゃん』『ズボン船長さんの話』。紫綬褒章、旭日小綬章を受章。2016年『トンネルの森 1945』で産経児童出版文化賞ニッポン放送賞、18年3月に児童文学の「小さなノーベル賞」といわれる国際アンデルセン賞作家賞を、日本人として3人目に受賞。 2023年には、江戸川区に「魔法の文学館」がオープンした。 写真提供:魔法の文学館 童話作家・角野栄子のオフィシャルサイト 魔法の文学館オフィシャルサイト