【春に贈りたい絵本】子どもの感性が伸びる「春を感じる名作絵本」3選[絵本専門店の書店員が選出]

子どもの本のプロが選ぶギフト絵本 #15~春を感じる絵本~ (3/4) 1ページ目に戻る

ブックハウスカフェ店長:茅野 由紀

春のおしゃれが楽しみになる

次にご紹介するのは、『はるのワンピースをつくりに』(ブロンズ新社)。うさぎのさきちゃんが、森の小さな仕立屋さん・ミコさんと一緒に、春夏秋冬の素敵なお洋服を作る人気シリーズの1作目です。

作者は、児童文学作家の石井睦美さん。石井さんの紡ぐ文章は美しくてあたたかく、子どもたちへの読み聞かせでも大人気。読み手もとても気持ちがいいので、ぜひお子さんに読み聞かせて、親子で一緒に楽しんでいただきたいです。

『はるのワンピースをつくりに』(文:石井睦美、絵:布川愛子/ブロンズ新社)
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ある朝、風が運んできたすみれの香りで目覚めたさきちゃんは、ミコさんのお店へ向かいます。

「はるが きたから、はるのワンピースが ほしくなったの」
「どんなワンピースが いいかしら。さきちゃんの きぶんを しらなくっちゃね」

「はるの いろって どんな いろ?」「はるになったら だれに あう?」「なにが したい?」と、お茶を飲んだり、窓の外を眺めたりしながら、ひとつずつ優しく問いかけるミコさん。さきちゃんは春のイメージを膨らませて、自分の想いをしっかりとミコさんに伝えます。

そうして完成したのは、さきちゃんの春の気分をぎゅっと詰め込んだ、さきちゃんのためのとっておきのワンピース。

今はファストファッションが広がり、買うのも処分するのも手軽なところがありますが、着るもの・身に付けるものをていねいに選び、大切にするって、とても大事なこと。本来、装いとはこういうものだと改めて気づかされる素敵なストーリーです。

絵は、絵本作家でありイラストレーターの布川愛子さん。柔らかなタッチで描く一枚絵はもちろん、絵本の中にちりばめられた春色の生地、かわいいボタンや飾りも、眺めているだけで幸せな気持ちになります。

主人公が女の子、ワンピースを題材にした絵本というと、ともすれば“女の子のもの”と思われがちですが、お子さんの性別に関係なく心からおすすめできる一冊です。

最後は7年かけて撮った“北国の桜”の絵本

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