「日本のムーミン」多様性を描いて 10周年を迎える「はりねずみのルーチカ」シリーズが生まれるまで

作家・かんのゆうこさんインタビューはりねずみやもぐらや妖精たちの物語「はりねずみのルーチカ」の魅力

児童図書編集チーム

『はりねずみのルーチカ 精霊たちのすむところ』作:かんのゆうこ 絵:北見葉胡(講談社)カバー絵より
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不思議ないきものたちが、読者を幸せにしてくれる物語

「はりねずみのルーチカ」シリーズ(作:かんのゆうこ 絵:北見葉胡)は、2023年で10周年を迎える人気シリーズです。森に生きるさまざまないきものたちが助け合い知恵をふりしぼって、ユーモアたっぷりに暮らしている様子を「日本のムーミン」とよぶ人もいます。

ルーチカは、フェリエの森でくらしています。『はりねずみのルーチカ にじいろのたまご』では、フェリエの森でひろったたまごを育てたり、『はりねずみのルーチカ 星のうまれた夜』では、空に星をまこうとしたり、『はりねずみのルーチカ 絵本のなかの冒険 上下』では、絵本のなかに入り込んだり、『はりねずみのルーチカ 人魚の島』では、人魚を探しに行ったりと、毎日さまざまな冒険をしています。

ルーチカはまわりの人がこまっていたら、必ず助けます。そのあたたかいきもちにふれると、だれもが幸せな気持ちになれます。

読者からは、「ルーチカみたいに人に優しくできたらいいな」(小学3年生の女の子)、「孫のために買いましたが、とてもいい話で、家族で楽しんでいます」(70代、女性)といった感想が届きます。

「はりねずみのルーチカ」シリーズの主人公、ルーチカ。こころやさしいはりねずみ。ジャムづくりと歌がだいすき。いつもあたまのうえにりんごをのせてあるいています。

ルーチカは、くりのイガをこわがる小さなりすの子に、くりをわけてあげます。フェリエの森には、ルーチカのちかくに、もぐらのソルや、妖精のノッコやトゥーリが暮らしています。

多様ないきものたちが仲良く暮らしている

もぐらのソルです。気がよわくて、くいしんぼう。ソルがもつスコップで土をたがやすと、どんな植物でもいきいきとそだつようになります。

ちょっとなまいきな森の妖精の女の子。うさぎのかぶりものがだいすき。ジャグリングがとくいで、いつも赤い球をもちあるいています。

花と風の妖精のトゥーリです。旅のとちゅうでルーチカたちと出会い、ルーチカたちがいるフェリエの国でくらすようになりました。「ラピナの笛」という澄んだ音色の笛をかなでます。

こんな優しいいきものたちが登場する楽しいお話はどうやってうまれたのでしょうか。作家のかんのゆうこさんに、「はりねずみのルーチカ」がうまれたきっかけや創作への思いを聞きました。

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