
病院の待ち時間を幸せな時間に変えた「あらしのよるに」 ジーンとするママのリアルレビュー
国民的ベストセラーシリーズ新刊刊行記念 エニママレビュー・イネママさん
2025.04.14

『あらしのよるに』シリーズは、まっくらな嵐の夜に出会った、オオカミのガブとヤギのメイが、お互いの正体を知らず友だちになり、「食うもの」と「食われるもの」という関係に葛藤しながら、友情を深めていくストーリー。全7巻380万部の国民的ベストセラーで、この度、20年ぶりの新刊が刊行され、発売後即重版がかかるなど、話題になっています。

「あらしのよるに」シリーズを読んだAnyMama編集部のママ、イネママさんからのレビューをご紹介します。
*AnyMaMa(エニママ)は、株式会社アンダースタンドが運営する、女性たちの就業復帰支援やキャリア創出をサポートする取り組みです。
【エニママ】https://anymama.jp/
ヤギとオオカミの運命は? 暗闇で生まれる友情の物語
ヤギとオオカミが暗闇で2匹きり! その組み合わせって……大丈夫?
なんとも不穏なあらしのよるです。
2人揃って季節外れの風邪をこじらせた7歳の娘と5歳の息子と一緒に、小児科の長い長い待ち時間のお供に選んだ本は『あらしのよるに』。
昔から有名な本で、確か映画にもなったなーというのは知っていたけれど、実は私も読むのは初めて。
真っ暗闇の中、見えるようで見えない展開を、子どもたちと3人で予測し合いながら読み進めていきました。
「食べちゃうと思う? 食べないと思う?」
「今度こそ正体がわかっちゃうかも!」
「2匹は仲良くなれると思う?」
「いや、これはもう、食べるでしょ!」
次のページ、どうなるの? というドキドキが止まらない!
ヤギさん、そんな約束しちゃって大丈夫? だけどなんだか似ている2匹。


小児科の待ち時間が宝物に! 絵本がつなぐ、親子の心
嵐の中でやっとたどり着いた小屋で語り合う2匹の動物のように、ヨレヨレでたどり着いた小児科の狭いパーテーションの中で、ドキドキしながら絵本を中心に身を寄せ合う3人。いつも退屈に過ごしていたはずの待ち時間が、幸福な時間に変わりました。

思えば娘にこんなふうに読み聞かせをしたのは、ちょっと久しぶりかもしれない!
小さなころから絵本が大好きな娘だけれど、小学校に上がってからは自分で本が読めるようになったこともあって、以前のように「本を読んでー!」と持ってくることも少なくなっていたことに気づきました。あんなに毎日毎日うんざりするほど催促されていたのに。
診察が終わり、帰りの車の中で「この本って、実は続きがたくさんあるんだよー!」と言うと「読んでみたい! 絶対また読んで!」と目を輝かせる娘。

「お薬飲んだら続きを読もうね!」「絶対絶対読んでね!」と2人。そんな私たちのあいことばも「あらしのよるに」。
友情とドキドキと、親子で絵本を囲む楽しさと。
この本を通して親子の絆がまたひとつ深まり、私たちだけの特別な、思いがけない「あらしのよる」を経験しました(夜じゃないけど)。

新作「あいことばはあらしのよるに」刊行
「あらしのよるに」は種を超えた「友情」を描いた大人気シリーズ、新シリーズはさらに種を超えた「家族の絆」を描きます。いまの時代にこそ読んでほしい新シリーズ第1巻が刊行。

仲良しな2人なのに、実はおたがい隠している秘密が!? 疑いあってしまう2人の友情と新たな命の行方が気になる第1巻。ヤギとオオカミの壁を越えた友情から家族の物語へ……待望の新シリーズがスタート!
「あらしのよるに」シリーズ全7巻はこちら
