保健室の先生直伝! 子どもが自ら話し始める「子どもの心をきく」3つのテクニック

我が子との心の距離が縮まる! 保健室の先生に学ぶコミュニケーション術#3

子どもの心に寄り添うときにいってはいけないNGワード

「みる」「きく」を行っている間、親子でさまざまな言葉が飛び交います。子どもからネガティブな言葉が出てくることはここまでに何度も解説をしていますが、親はそれに引っ張られないように注意することが大切です。

特に次のような言葉を口にしないように、気をつけましょう。

■これいっちゃダメ! NGワード集

・親の考えを押し付ける「こう思うよ」
・子どもの気持ちを否定する「そんなこといっちゃダメ」
・尋問の言葉「何があったかいいなさい」
・子どもをシャットアウトする「我慢しなさい」
・子どもが心を閉ざす「どうしてもっと早くいってくれなかったの?」

「『NGワード』はどれも子どもを無視する言葉です。子どもにとって親はいつでも受け入れてくれる場所であり、拠り所であるので、こういったワードをいわれてしまうと居場所がなくなり自己肯定感の木も育っていきません。

子どもが自分の気持ちをうまく表現できなくて言葉が出なくなる、あるいは逆に乱暴なことを口にすることがあっても、どうか焦らずに根気強く接してあげてください。

今の子どもたちはおうちの方が子どものころと比較すると、精神年齢は実年齢よりもマイナス2歳くらい幼いと私は感じています。体の成長が早く、ネットでたくさんの情報を得ているので大人びた言葉を使いますが、心はずっと幼いことがあります。

『みる』『きく』で段階を経て距離を縮めていく間には、時には子どもの気持ちを代弁してあげるなど、サポートしてあげることが大切です」(渡邊先生)

子どもの心に寄り添うコミュニケーションメソッドの中には、実は多くのおうちの方がすでに無意識にやっていることもあります。これを意識的な方法にとらえていくことで、親子間の関係は滑らかになっていくはずだと渡邊先生は話します。

親子関係もひとつの人間関係です。たとえ子どもであろうとお互いをわかろうとすることが大切であり、個を尊重することも重要です。

心の問題は糸が絡まっていることも多いため理解するには苦労を伴いますが、丁寧に向き合った分だけ得るものがあります。段階を踏むことで、いずれ子どもは自分で解決していく力を得て心を強くしていくでしょう。

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渡邊 真亀子
小学校の養護教諭。健康教育専門家。特別支援教育コーディネーター。カウンセラー有資格。児童学修士。私立保育園の評議員。小学校の保健室の先生として30年以上のキャリアを持ち、3000人以上の子どもやその保護者の健康相談に対応してきた。特に子どもたちの歯の健康促進に力を注いで、勤務校3校にて全日本学校歯科保健優良校表彰において最優秀賞(文部科学大臣賞)を受賞している。その功績が称えられ、平成28年東京都学校歯科医師会より東京都学校歯科保健功労者表彰を受賞。著書の『保健室の先生だけが知っている子育て(総合法令出版)』はタイ語版も出版されている。

【主な著書や監修書】
『保健室の先生だけが知っている子育て』(総合法令出版)
『保健室の先生がお母さんに教える 小学生のための歯のはなし』(WAVE出版)など

『保健室の先生だけが知っている子育て』(総合法令出版)


取材・文/梶原知恵

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かじわら ちえ

梶原 知恵

KAJIWARA CHIE
企画・編集・ライター

大学で児童文学を学ぶ。出版・広告・WEB制作の総合編集プロダクション、金融経済メディア、外資系IT企業のパートナー会社勤務を経て現在に。そのなかで書籍、雑誌、企業誌、フリーペーパー、Webコンテンツといった、さまざまな媒体を経験する。 現在は育児・教育からエンタメ、医療、料理、冠婚葬祭、金融、ITシステム情報まで、各媒体の企画・編集・執筆をワンストップで手がけている。趣味は観劇。特技は長唄。着付け師でもある。

大学で児童文学を学ぶ。出版・広告・WEB制作の総合編集プロダクション、金融経済メディア、外資系IT企業のパートナー会社勤務を経て現在に。そのなかで書籍、雑誌、企業誌、フリーペーパー、Webコンテンツといった、さまざまな媒体を経験する。 現在は育児・教育からエンタメ、医療、料理、冠婚葬祭、金融、ITシステム情報まで、各媒体の企画・編集・執筆をワンストップで手がけている。趣味は観劇。特技は長唄。着付け師でもある。