【焼きのり料理】「MOTTAINAI」台所から未来の子どもを支えるごはん

もったいない・つづけられる・伝統食! #26【焼きのり料理】

ライター・料理家:越野 美樹

焼きのりの旬と旨み

のりにも旬があるのを知っていますか?

左:焼きのり 右上:味付けのりふりかけ 右下・韓国風味付けのり 焼きのりは食べやすい大きさに切ったら、密閉容器に入れておくとしけらずに保存できます。   写真:越野美樹

かきなどの貝殻に種子をつけて養殖されるのりは、11月ごろから収穫され、板状にして乾燥させ、焼き上げられます。

最初の時期に収穫したのりは、「初摘み」のりといい、柔らかくて、甘みや旨みが豊富なのが特徴です。

ところで、のりに旨みを感じるのはなぜでしょうか?

それは、昆布やかつお節、干ししいたけなどに含まれる3大旨み成分がすべて含まれるからです。

グルタミン酸:昆布などに含まれる
イノシン酸:かつお節などに含まれる
グアニル酸:干ししいたけなどに含まれる

今回は焼きのりの料理3品を紹介しますが、その前に、焼きのりの美味しい食べ方をご紹介します。

焼きのりの美味しい食べ方

のりは江戸時代に開発された「のり抄(す)き」という、和紙と同じような製法で作られています。

のりをすのこに広げて抄くため、すのこに接した裏側がザラザラになり、表面がツルツルになります。

左:ザラザラしているのが裏面 右:ツルツルしているのが表面。  写真:越野美樹

焼きのりは焼かれていますが、食べる前に再度軽くあぶると色や香り、食感が良くなります。

焼きのりを2枚用意し、ツルツルの面を中表で合わせて、強火の遠火でザラザラの面をサッとあぶるのがコツです。

表側からあぶると裏側の突起した部分まで火が通りにくいので、裏側からあぶることで均一に火が通ります。

また、2枚重ねてあぶることで香りを閉じ込めることができ、美味しく仕上がります。

おにぎりやのり巻きを作るときには、ツルツルの面が表に出るように使ってください。

今回は、あぶった焼きのりを使った、子どもにも食べやすい焼きのりの料理3品をご紹介します。

「のりつくね」のレシピ

甘辛ダレがきいたふわふわ食感のつくね。のりの旨みが加わって美味しさ倍増!  写真:越野美樹

【材料】3人分
焼きのり(全形) 1枚
鶏ひき肉 200g
玉ねぎ 1/2個
にんじん 1/4本
卵 1個
塩 少々
こしょう 少々
酒 大さじ1
パン粉 大さじ2
ごま油 大さじ1
 酒 大さじ1/2
 本みりん 大さじ1/2
 醬油 大さじ1/2

【お手伝いポイント】
つくねをスプーンで落とすのを手伝ってもらいましょう。

【作り方】
1.焼きのりは12等分に切る。玉ねぎとにんじんはみじん切りにする。

2.食品用ポリ袋に鶏ひき肉を入れて、もむようにしてよく練り混ぜる。

3.塩、こしょうを加えてさらに練り、卵、酒、パン粉、1の玉ねぎとにんじんを加えて均一になるように練り混ぜる。

4.フライパンを弱火で熱してごま油を入れ、スプーンを2つ使って1/6量ずつ小判形にして置く。

柔らかめの生地なので、スプーンを2つ使って小判型に形を作ります。火が通りやすくなるよう、真ん中を押してへこませてください。  写真:越野美樹

5.焼きのりを1枚ずつのせてフタをし、きつね色になるまで焼く。裏側も焼きのりをのせて同じように焼く。

6.中火にして鍋肌からAを順番に入れ、両面にからめながら煮切る。

最初に鶏ひき肉を練ってから調味料や野菜を入れると、粘りが出て水分や旨みが閉じ込められ、ふわふわに仕上がります。甘辛ダレの材料を加えたら火を強めるとツヤツヤに仕上がります。

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