【専門家監修】「え、こんなに変わるの!?」子連れ美術館がぐっと楽しくなる5つのコツ

親も子も無理なく安心して自分なりの「美術鑑賞」を楽しむために

海外キャラクター編集チーム

1枚目から順番に見ようとしていませんか?

イメージ写真

ポイント②見る順番にしばられない

ポイント③全ての展示を見ようとしない

美術館に行くと、つい最初の展示から順番に見て、解説もしっかり読んで……と「できるだけ多くの情報を得よう」と頑張ってしまいませんか? しかし、そこには親がハマりやすいいくつかの落とし穴が。

「美術館ってお金もかかりますし、“元を取らなきゃ”と思ってしまいますよね。でも、全部を見ようとしないことが大事。美術館に行く目的は、“親子で一緒に素敵だなと思える1枚を見つけること”くらいでいいんです」

小牟田さんのこの言葉に、思わず私もドキッ。振り返ってみれば、美術館では「順番に全部見るのが当たり前」と思い込み、列ができていれば無意識に子どもと並んでいたかもしれません……。

「美術館は、最初から順番に回らなくてもいいんです。ふらっと散歩するように歩きながら、気になる作品に出会ったら立ち止まるくらいのスタイルでいい。子どもは、興味を持ったときに必ずサインを出します。“これ面白いね”とつぶやいたり、立ち止まってじっと見たり。親はそのサインをキャッチできる余裕を持つことが大切です」

そんなときは、「どこが面白いと思った?」と声をかけるのがポイントだそう。隣の人に聞こえるくらいの小声で話す程度なら、迷惑に思われることはほとんどありません。

もちろん、静かに歩くこと・作品に触れないこと・走らないことなど、事前に基本的なルールを伝えておくことも重要。「小さい声で話してくれたらちゃんと聞くからね」とあらかじめ伝えておけば、子どもも安心して美術館に入れますよね。

「もし子どもが気になる作品に出会えたら、ぜひ“どこが気になったの?”と聞いてみてください。親が“知りたい”と本気で思う気持ちが、自然に会話を広げてくれます」

“親として”ではなく、“ひとりの人間として”

ポイント④親の役割を意識しすぎない

子どものアート鑑賞を良いものにしてあげたい──そう思う真面目な親御さんほど、「どうサポートしたらいいんだろう」「質問されたら正しく答えなきゃ」と肩に力が入ってしまいがち。しかし、小牟田さんはこう話します。

「親から不安感がただよっていると、子どもは敏感にそれを察します。ですから、“親”として完璧にふるまおうとするのではなく、ひとりの人間として自分の感じたことに目を向けることが大切です。美術館は、それが許される場所なんですよ」

作品への気づきを親子で伝え合うのも、美術館ならではの楽しみ方。「同じ作品でも、見る人によって注目するポイントはまったく違うんです。“私はここに気づかなかったけど、こんな部分もあるんだね”と話すだけで、自分では見えていなかった世界が広がります」

作品を見たらすぐ「どうだった?」と聞きすぎるのも要注意

鑑賞後にも潜む意外な注意点とは
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