ウラオモテがある人は損する？　【今日の禅語】大愚元勝・福厳寺住職

本記事は現在発売中の書籍『１日３分でしなやかな心が育つ　禅のことば』の一部を抜粋、編集したものです。

中国の唐（とう）の時代のお坊さん・趙州禅師（じょうしゅうぜんじ）のところには、たくさんの修行僧がやってきました。

ある僧が着たとき、禅師は
「あなたは以前ここに来たことがありますか？」
と聞きました。

修行僧が
「ありません」
と答えると、
「そうですか。ではお茶を飲んでいきなさい」
といいます。

でも
「来たことがあります」
と答えた修行僧にも
「そうですか。ではお茶を飲んでいきなさい」
と禅師はいうのです。

つまり、趙州禅師はだれがやってきても
「喫茶去（お茶を飲んでいきなさい）」
といいます。

どんな人でも、同じようにもてなしたのです。

先生の前ではいい子なのに、友だちの前ではいばり散らしたり、イジワルなことをする人もいるでしょう。

でも、そういう裏表のある人は、ほかの子から話を聞けば、先生にもすぐわかってしまいます。

けっきょく、その人の評判が下がるだけでしょう。

相手が自分より年上でも、年下でも、同じようにていねいに接する。

そうすることで、いろいろな人と仲良くなることができるのです。