「ガリ勉だ」ってバカにされたら？　【今日の禅語】大愚元勝・福厳寺住職

本記事は現在発売中の書籍『１日３分でしなやかな心が育つ　禅のことば』の一部を抜粋、編集したものです。

まじめに勉強していたり、本を読んだりしていたら、クラスメイトから
「ガリ勉だ」
「マジメすぎ」
などとバカにされた……こんな経験がある人がいるかもしれません。

そんな人に知っておいてほしいのがこのことばです。

これは仏教の経典（きょうてん）のひとつ『維摩経（ゆいまぎょう）』のなかで、仏さまになる修行をする文殊菩薩（もんじゅぼさつ）がいった
「高原に蓮の花は咲かないけれど、低い湿地の泥沼には蓮の花が咲く」
ということばから来ています。

蓮は茶色い泥のなかに根をはり、きれいな白やピンクの花を咲かせます。
（ちなみに茎（くき）は野菜のレンコンです）

このことばでいう「泥沼」とは、欲やこだわりなどの「煩悩（ぼんのう）」にまみれた考えのことです。

煩悩が多くて修行するのがたいへんなところのほうが、むしろ悟りにたどりつきやすいという意味です。

もし、自分のやっていることを周りの人からバカにされたとしても、気にする必要はありません。

むしろ、そういう環境でもがんばりつづけることができる人ほど、大きな花を咲かせる（結果を出せる）のです。