親子で「簡単整体」 緊張をゆるめる・呼吸を深くする 春と夏の対策

整体ボディワーカー・山上亮さんに教えてもらう子育て整体#3 春と夏の手当て

整体ボディワーカ―:山上 亮

汗をしっかり出して冷え対策!「夏の手当て」

夏は、寝相やあせもについての相談ごとが多く寄せられると山上さん。

「寝相が悪いというのは、整体では『寝相が良い』ということ。

じっとして寝ていると身体はゆるまないので、部屋がまるごと布団のような、いくらでも動ける環境にしておいて、自由にゴロゴロと寝てもらったほうが良いんです。

ただ夏でも冷えないようにする工夫は必要です。

エアコンの風が直接当たると冷えるので、サーキュレーターを天井に向けたり、場合によっては部屋のドアを開けっ放しにして冷えすぎないようにしてください。

湿度を下げると冷えづらくなるので、除湿機なども上手く活用して。

そして日中は汗をしっかりかくこと。

あせもは汗をうまく出し切れずにいるからあせもになります。すべて汗を出しきるとあせもになりにくくなるんですよ」

「胸椎五番」を押さえて動きを良くすると、汗をしっかりとかけるようになります。  撮影:土居麻紀子

「梅雨の時期は、呼吸が浅くなりエネルギーの発散がうまくいかなくなります。
そのため、エネルギーがうまく燃焼できるように、呼吸を深める必要があります。呼吸が深まるとよく眠れるようになりますよ」

そして夏に多い虫刺されやケガについて。​

「整体では、虫に刺されたときやケガの手当てとして、二の腕の外側、肩と肘のちょうど間くらいの筋肉の少ない『化膿活点』というところを押さえます。
虫に刺されたときはもちろん、でかけた先でのケガの手当てとしても覚えておくといいでしょう」

【夏の手当て】

●胸椎五番の押圧

胸椎五番は肩甲骨の間のちょうど真ん中辺りにある骨。ここを押さえて動きを良くすると汗をしっかりとかけるようになり、呼吸も深くなる。軽く押さえてポッと放す感じで、何度か押さえてみる。   撮影:土居麻紀子

●足指ひっぱり

足の指をひっぱることによって血行が良くなり呼吸が深くなる手当て。ひっぱるのは小指から。 「どの指かな~」など声をかけながらやると楽しくできる。  撮影:土居麻紀子
足の指ひっぱりは、自分でもできるので、親子で一緒にやるのも楽しい。やっている途中、ポキッと骨が鳴ることもありますが、痛がらなければ大丈夫。ただ、やりすぎにはくれぐれも注意。
撮影:土居麻紀子

●座骨伸ばし

呼吸が深くなってよく眠れるようになる座骨伸ばし。まずは仰向けに寝て足を伸ばす。  撮影:土居麻紀子
続いて足首を片手で持ち上げ、膝に反対の掌を押し当てるようにして足の裏の筋が伸びていくように頭側に足を倒していく。足が十分に伸びたら力を抜いてゆるめる。   撮影:土居麻紀子

●化膿活点の応急処置

出血、化膿している側の腕の化膿活点にあるコリッとした小さな塊をはじく。押さえると指がビリビリ痺れる感じのする所。軽くはじいたあとは、化膿活点を掌で温めるようにやさしく手を添える。ケガや虫刺されの応急処置に。   撮影:土居麻紀子


※手当ては子どもが痛がらずに心地よく感じる力加減で行ってください。痛みを感じるときは中止し、傷や疾病、身体症状を有する場合は医師の診察、アドバイスを受けるようにしてください。

「いくつかポイントはあるものの、難しく考えず、子どもと一緒に遊ぶ感覚でやってください」と山上さん。

続けると身体の動きもよくなるので、ぜひ試してみてください。

第4回では家族や身近な人とふれることの大切さについてお聞きします。
 
取材・文/石本真樹

32 件
やまがみ りょう

山上 亮

整体ボディワーカー

整体ボディワーカー。野口整体とシュタイナーの思想から人が元気に暮らしていける「身体技法」と「生活様式」を研究。 整体指導、子育て講座、精神障がい者のボディワークなど幅広く活躍中。 主な著書に『子どものこころにふれる 整体的子育て』、『整体的子育て2 わが子にできる手当て編』、『こどものしぐさはメッセージ』(すべてクレヨンハウス刊)など。

整体ボディワーカー。野口整体とシュタイナーの思想から人が元気に暮らしていける「身体技法」と「生活様式」を研究。 整体指導、子育て講座、精神障がい者のボディワークなど幅広く活躍中。 主な著書に『子どものこころにふれる 整体的子育て』、『整体的子育て2 わが子にできる手当て編』、『こどものしぐさはメッセージ』(すべてクレヨンハウス刊)など。