子どもの「性被害」を防ぐ【おうち性教育】 親の対応は? どこに相談? 小児科医が詳しく説明

「性被害」起きてしまったら

(写真:アフロ)
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「我が子に限って……」と思いがちですが、万が一のためにも、親としての心構えが大切です。どんな状況であっても、まずは子どもの話を受け止めてから、「話してくれてありがとう」と声をかけること。

「この言葉は、子どもを心理的安全地帯に導く“魔法の言葉”です」

「『本当なの?』『あなたが悪かったんじゃないの?』などの否定は、子どもが心を閉ざす原因になります。そのときの子どもの発言は、全面的に肯定的に受け止めてあげてください」


また、親が「軽いこと」と思えるケースでも、「だから大丈夫」と親が決めつけるのはNG。子どもが傷ついていれば、それは立派な“被害”です。

「行為の内容ではなく、子どもの受け止め方が重要。どんなに些細に思えても、心のケアが必要になることがあります。子どもの気持ちを大事にする姿勢でいてくださいね」

「聞き取り」には配慮が必要

被害の詳細を把握するためには、事実確認が必要ですが、聞き方にも配慮が要ります。

「ヒアリングの基本として“5W・1H”がありますが、一つ注意が必要です」

「“5W”は、who=誰が、what=何を、when=いつ、where=どこで、why=なぜ。“1H”はhow=どうやって、ですが、子どもに被害の聞き取りをするとき、“who”と“what”のみを聞いて、それ以外は聞き取りをしないでください」

「特に、why=なぜ、つまり『原因』を子どもに聞いてしまうと、本人に責任があるかのような印象を与えてしまう恐れがあるからです」


事実を確認するときは、会話を記録するのも大切ですが、注意点もあります。

「小さな子どもほど、何度も聞かれることで記憶が改ざんされたり、何より本人に大きな負担がかかるため、聞き取りは一度きりが原則です」

「“これはちょっと深刻”と思えたときには、特に要注意。このようなケースは専門家に任せるべきですから、親は、あまり根掘り葉掘り聞かないようにしてください」

まずはどこに相談すべき?

そして次に行うのは、園や学校への相談。「うちの子がこのように言っているのですが、何かご存知でしょうか」などと事実確認を依頼します。

「しっかりした園であれば、事実確認の上で適切な対応をとってくれるはず。重大なケースでは、性暴力被害者支援センター(ワンストップセンター #8891)などの専門機関につないでくれることもあります」

「ただし、すべての園が適切に対応してくれるとは限りません。対応に疑問がある場合や、子どもが明らかに心を病んでいる様子があれば、性暴力被害者支援センター(ワンストップセンター #8891)に相談してみましょう」

「もちろん、性暴力、性虐待が疑われる、身体の異変があるときには、まず小児科などに行くのが先決です」

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