『母親になって後悔してる』ママは約半数 後悔を乗り越えたママたちの本音

タブー視される「母になって後悔」を乗り越えた 先輩ママからのエールも

コクリコラボ

写真:アフロ
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前回のコクリコラボの調査では、約半数のママが一度は「母親になって後悔したことがある」ことがわかりました。本記事では前回に引き続き、どのような瞬間に後悔したのか、具体的なエピソードをご紹介します。

コクリコラボアンケート「AnyMaMa(エニママ)」登録者およびコクリコメルマガ会員を対象に2023年4月24日~2023年5月8日インターネット上で実施。有効回答数は203件。
※基本的にアンケート回答の原文をそのまま記載しています。ただし文字数の都合上、一部抜粋や主旨を損なわない範囲の要約・編集を行っている箇所があります。(明らかな誤字等は修正のうえ記載)

コクリコとAnyMaMa LIFESTYLE.Labが協働で、子育て課題解決×読書文化を目指すプロジェクト「コクリコラボ」。
ママの社会復帰を支援するサービス「AnyMaMa(エニママ)」で活躍するママたちのリアルな声を集めながら、新たなサービスや取り組み、ライフスタイルのアイデアを生み出していきます。

母になって後悔する瞬間 【後編】

「母になって一度でも後悔したことがある」と回答したママに、具体的なエピソードを聞いてみました。

◆ママのキャリア

後悔する瞬間として多く挙げられたのが、ママのキャリアの問題です。

以前のコクリコラボの調査でも、妊娠や出産を機に退職、あるいは退職後に再就職したというママが全体の約半数という結果で、母親になるタイミングでキャリアをあきらめたママが多い実態が明らかになりました。

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今回も、こんな声があがっています。

・キャリアアップを断念した。社内で働きにくい。

・キャリア形成は子どもの成長を阻害しない範囲で考えなければならない。

・職場に復帰して昔の自分のように周りが忙しく出張や残業があったり、トラブル対応する中、自分はサポートがメインで定時に帰るとき。


再就職したり復帰したりしても、子どもがキャリアアップの阻害要因になっていると感じたときに後悔してしまいます。

ところでキャリアについて寄せられた声を詳しく見ていくと、セットになっているのが「夫」へのモヤモヤだということもわかってきました。

・元々成績もよく、それなりに評価をしてもらっていたが出産を機に時短勤務になって制限があるなか、仕事、家事、育児に追われた。一方で夫は時間に関係なく休日出勤、残業、夜勤、飲み会など基本的に時間の縛りがなく働けるので、羨ましく、また悔しくなった。

・出産せずに仕事で活躍している女友達が輝いて見えたとき、留学や残業を伴う仕事への転職を諦めたとき、夫の転勤にたびたび帯同し環境変化によるストレスを感じたとき。育児で大変な思いをしても職務経歴書には書けず、育児をメインで行っていない夫のほうが社会的に評価されていると感じるとき。


出産を機に夫も「父親」になったはず。それなのに子どもが生まれる前と同じように仕事をしている姿を見ると、「どうして私だけ……」とモヤモヤした気持ちになったり、「子どもがいなかったら……」と想像したりしてしまうママの気持ちはよくわかります。

◆あともどりできない漠然とした不安

「母親になる」ことの怖さは、後戻りできないところにあるともいえます。明確な理由がなくても、漠然とした不安に襲われて後悔するというママも少なくないようです。

・ちゃんと子どもを育てられるか。自分のこともできていないのに子どもを育てられるか。

・1人目の妊娠がわかったときです。「母親になるんだ」と認識した瞬間、自分以外の人間の人生の責任を持つなんて私には耐えられない! なんで母親になろうと思っちゃったんだろう! と後悔しました。

・後悔というより、世の中の暗い出来事や情勢、値上がりなどで、後戻りができない怖さ、途中で放り出せない怖さを感じることがあります。

母親になる前の自分と比べてしまうこともあります。

・自分の好きなことだけをして、夫とも友達とも楽しく、とにかく自由に過ごしていたころを思い出すと懐かしすぎて。ときどきふと思ってしまいます。

・一人で出掛けても、お迎えの時間、下校の時間などが気になる。家にいても子どもの習い事の時間、食事の時間、入浴の時間などを気にして、常に時間に追われている感じがする。結局、自分がしたいことが終わらなかったり、したかったことがなんだったのか、わからなくなったりして悲しくなってくる。


育児中は子ども中心に考えて自分のことは後回しにする癖がついてしまうママが多いようです。筆者も母親になっていちばんきついのは、自分の時間が途中で中断されること。何度も繰り返されると、自分のしたいことがなんだかわからなくなる気持ち、よくわかります。

この気持ちを乗り越えるには?

座談会では「母親になった後悔」を乗り越えたというママに話を聞くことができました。

・当時「かわいいのは今だけだよ」「大変な時期は終わるよ」などといわれても響かなかった。今思えば「母親ならこうしなければいけない」と自分に制限をかけていた。一人の時間を作ったり、嫌な気持ちをノートに書くことで「私って今こういう思いがあるんだな」と向き合えた。「大変なのは今だけ」という言葉は、自分に我慢をさせるだけ。自分の気持ちと向き合う時間が必要だと思う。(小5男の子、小3男の子、年長女の子、2歳男の子のママ)

こちらのエピソードを紹介してくれた4人の子のママも、2人目までは子どもに怒鳴ってしまったり「こんな人生じゃなかったのに」と思ったりしたそう。思いをノートに書き、コーチングや心理学などを学ぶことで自分と向き合えて乗り越えられたそうです。

・子どもを産んだのでママと呼ばれているが、ステレオタイプのママではないし、そうはなれないと思っている。苦しい状況のときは、思いをノートに書いた。今は利用している幼児教育のサービスで愚痴を聞いてもらったり、アドバイスをもらったりする機会があるので助かっている。(2歳女の子のママ)

こちらのママは後悔とまではいかないものの、自分の母親像に悩んで模索していた時期があったそう。前出のママと同様、思いをノートに書くなどしてため込まずに客観視するのはいい方法かもしれませんね。

「母親になって後悔」をタブーにしない社会に

さまざまなエピソードをご紹介してきました。『母親になって後悔してる』がたびたび論争を巻き起こすのは、この言葉に「タブー」を感じるからではないでしょうか。「もう産んで母親になったのだから、今更言っても仕方がない」「この言葉を言うことは、子どもを否定することになり、子どもをひどく傷つける」といった意見です。

しかし今回の調査で感じたのは、ママが感じている「後悔」の裏にあるのは、ママだけの問題では決してないということです。「後悔」をタブーとして抑圧しても、誰も救われることはありません。

むしろ語ってもらうことで社会の抱える問題が見えてくるように思います。同じような思いを抱えるママが本記事を通して、「自分だけじゃないんだな」と孤独な気持ちから解放され、少しでも前を向けることを祈ります。

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