上の子の赤ちゃん返り どう対処? 子どもの発達に詳しい専門家が回答!

こんなときどうする?子育てQ&A#12「上の子の赤ちゃん返り、どうやって対処すればいい?」

教育学博士(発達心理学、発達臨床心理学):渡辺 弥生

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「赤ちゃん返り」は、心理学では「退行現象」と呼ばれ、弟や妹が生まれたことなどをきっかけに、幼児がまるで赤ちゃんに戻ったかのようにふるまうことをいいます。
ミルクやおむつを欲しがる、指しゃぶりをする、過剰に甘えるなど、行動はさまざまです。  

発達心理学の専門家・渡辺弥生教授が子育ての悩みに答えます。

「次女が生まれたら、長女がわがままになり、夜泣きもするように。上手に乗り切るアドバイスをください」(3歳・女の子)

上の子にどう対応すればいい? 写真/Adobe Stock

上のお子さんと2人だけの時間を作ってあげましょう

上のお子さんは、赤ちゃんに親御さんを奪われたように感じているのかもしれません。

寂しさ、嫉妬などの一方で、お姉ちゃんらしくしたいという気持ちもあり、複雑な感情が絡み合って落ち着かないのでしょう。

できれば、赤ちゃんが寝ている間などに、上のお子さんと2人だけの時間を作ってあげましょう。

時間は短くてもかまいません。「赤ちゃんよりあなたのことが大好き。あなたはママにとって、とっても大事。だけど今は、赤ちゃんが小さいから面倒をみてあげよう」と伝えます。

親はつい「2人とも同じくらい好き」と言いがちですが、上のお子さんには強い愛情表現をしてあげたほうが安心します。

自分への愛情は変わらないと理解すれば、気持ちも落ち着いてくるでしょう。

「赤ちゃん返りとイヤイヤ期の併発……。まいっています」(2歳・男の子)

イヤイヤ期との併発を乗り切るには? 写真/Adobe Stock

子どもの気持ちを親が代弁してあげましょう

この時期のお子さんは周りの状況を正しく理解して「いや」と言うのではなく、なんとなく意思表示として言っている場合がほとんどです。

ですから「赤ちゃんきらい」などの発言も重く受け止めないでください。

「赤ちゃんばかり抱っこして、くやしかったんだね」と子どもの気持ちを親が代弁してあげましょう。

「いや」の言葉に隠れている気持ちを言葉にしてあげることで、だんだんと気持ちと言葉の意味が結びつき、伝えられるようになります。

いつの間にか「いや」も減っていくことでしょう。

「上の子の赤ちゃん返りがひどいです。2人育児のコツを教えてください」(2歳半・男の子)

2人育児の方法は? 写真/Adobe Stock

赤ちゃん返りは良い親子関係が築けていたという証拠です

「あなたを信頼している。だから赤ちゃんのお世話を手伝ってほしい」と、上のお子さんの自尊心をくすぐってみては?

たとえ上手にお世話ができなくても、「すごいね。さすが! 助かるわ」とほめてあげれば、「自分は頼りにされている」と自信がつき、赤ちゃん返りも解消されていくと思います。

赤ちゃん返りはある意味、上のお子さんに親の愛情がきちんと伝わり、良い親子関係が築けていたという証拠です。

きょうだいにはライバル心がつきまとうもの。

「赤ちゃんが生まれても変わらずあなたが大事」と伝え続ければ、きょうだいへの愛情の葛藤を乗り越え、弟や妹も大事に思うようになるでしょう。

文/久世恵美 写真/Adobe Stock
※この記事は幼児誌「げんき」に掲載された記事を再構成したものです。
わたなべ やよい

渡辺 弥生

教育学博士(発達心理学、発達臨床心理学)

大阪府生まれ。1983年筑波大学卒業。同大学大学院博士課程心理学研究科で学んだ後、筑波大学、静岡大学、途中ハーバード大学客員研究員を経...

げんきへんしゅうぶ

げんき編集部

幼児雑誌「げんき」「NHKのおかあさんといっしょ」「いないいないばあっ!」と、幼児向けの絵本を刊行している講談社げんき編集部のサイトで...