パパの育児 「育児力」をアップする秘訣は? 子育ての専門家が回答
こんなときどうする?子育てQ&A#27「パパの育児参加。育児力をアップするにはどうしたらいい?」
2022.03.11
教育学博士:渡辺 弥生
子育て中のママが最も頼りたいと思っているのは、やっぱりパパ。ところが、期待どおりにはいかないのも現実です。安心してパパに育児を託せるようにするにはどうしたらいいのでしょうか?
「子どもの相手を頼んでも、スマホやTVを見ながらということがよくあって、ホント適当! 子どもはかわいいみたいなのですが、そのいい加減さに腹が立ちます」(2歳・女の子)
子どもに対する感度がママとパパでは違う!?
実際、ママとパパとでは子どもに対する感度が違います。
妊娠出産を経験して、いってみれば子どもと一心同体のママと比べて、パパには最初からハンディーがあります。
そのため、「パパは子どものことをよく考えず、マイペースで自分本位な育児をしてしまう」とママに感じさせる結果になってしまいやすいのです。
「ママとパパでは、子育てのやり方や子どもとの関わり方が違うと思います。その育児観の違いや温度差を調整し、お互いに納得して子育てするにはどうしたらいい?」(1歳・男の子)
やり方や自分の気持ちを話し合うことから
これを解決していくには、ママがそのことをどう感じ、どうしてもらいたいのかをしっかり伝えることが必要です。
「いわなくても察してほしい」と思うでしょうが、「いわなければ伝わらない」ことは多いのです。
それはパパにしても同じ。じっくり話し合うことが欠かせません。
人は、自分の考えややり方が正しいと思いがちですが、価値観も性格も違う相手です。
なにが〇でなにが×なのかは、話し合いですりあわせていくことが必要です。
子どもは成長しているので、話し合いは一度や二度では終わりません。家庭の事情はそれぞれなので、それが難しいこともあるでしょう。
でも、できる範囲ででも、話し合いで共通意識をつくっていきたいものです。
「自己流で自分本位にしか育児ができないパパ。ママはどうやってサポートしていけば、パパの育児力が高まるのでしょう?」(1歳半・男の子)
ダメ出しは控え、伝え方はピンポイントで
注意ばかりだと、自信もやる気も失わせますから、伝え方が大切です。
たとえばシャンプーなら、「それはダメよ!」というより、「この子はお湯をジャーッとかけると泣くから、そっとかけるほうが、うまくいくと思うよ」などと、「これをやると子どもは泣くから」と、ピンポイントでベストな方法を伝えるほうが得策です。
子育てだけでも大変なのに「パパに配慮するなんて疲れる」といいたくもなるでしょうが、あとあとこの努力がママのためにいきてきます。
習慣を作るのは最初は大変ですが、それがルーティーン化されれば、ママも笑顔でパパの育児を見守ることができるようになっていくはずです。
文/宇野智子 写真/Adobe Stock
げんき編集部
幼児雑誌「げんき」「NHKのおかあさんといっしょ」「いないいないばあっ!」と、幼児向けの絵本を刊行している講談社げんき編集部のサイトです。1・2・3歳のお子さんがいるパパ・ママを中心に、おもしろくて役に立つ子育てや絵本の情報が満載! Instagram : genki_magazine Twitter : @kodanshagenki LINE : @genki
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渡辺 弥生
大阪府生まれ。1983年筑波大学卒業。同大学大学院博士課程心理学研究科で学んだ後、筑波大学、静岡大学、途中ハーバード大学客員研究員を経て、法政大学文学部心理学科教授。同大学大学院ライフスキル教育研究所所長兼務。教育学博士。専門は、発達心理学、発達臨床心理学。主な著書に『まんがでわかる発達心理学』、『11歳の身の上相談』(講談社)、『親子のためのソーシャルスキル』(サイエンス社)など。
大阪府生まれ。1983年筑波大学卒業。同大学大学院博士課程心理学研究科で学んだ後、筑波大学、静岡大学、途中ハーバード大学客員研究員を経て、法政大学文学部心理学科教授。同大学大学院ライフスキル教育研究所所長兼務。教育学博士。専門は、発達心理学、発達臨床心理学。主な著書に『まんがでわかる発達心理学』、『11歳の身の上相談』(講談社)、『親子のためのソーシャルスキル』(サイエンス社)など。