泣いたり叫んだり感情の起伏が激しい子 どう対応する? 心理学者が回答

こんなときどうする? 子育てQ&A#53「泣いたり、はしゃいだり、感情の表現が激しい子。これで大丈夫?」

教育学博士:渡辺 弥生

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子どもが大声ではしゃいだり、泣いたりするのは「うるさくてよくないこと」だと思いがちです。

でも、1~3歳の子どもが感情を素直に表現するのはとてもよいことです。


しだいに感情のコントロール力も身についてきます。

発達心理学の専門家・渡辺弥生教授が子育ての悩みに答えます。

「泣いたり、はしゃいだり、感情の表現が激しい子。これで大丈夫?」(2歳・男の子)

泣いたり、はしゃいだり、感情の表現が激しい子。これで大丈夫? 写真/Adobe Stock

感情を素直に表すのはとても喜ばしいこと

感情は成長とともに発達していきます。

0歳のころは快・不快だけですが、2歳までには怒り、恐れ、愛情、嫉妬など情緒が細かく分かれていき、しだいに自分や他人の気持ちが理解できるようになり、感情のコントロール力も身についてきます。

この心の発達を促すには、大人が子どもの感情に気づいて、「怖かったね」「うれしかったね」などと言葉で伝えてあげることが必要です。

幼児期に感情を思いきり表し、ママにこの働きかけをしてもらい、自分の感情に気づいていくことが、心の発達にプラスになります。

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心の知能指数(EQ)が 重要視される時代に

基本的に、まず自分の感情がわからなければ、他人の感情は理解できません。

ところが、最近は「相手が喜ぶからやってあげよう」「悲しんでいるからなぐさめよう」などという思いやりの気持ちが育ちにくくなっていると心配されています。

増加している「いじめ」も、他人の気持ちに気づけないことが大きな原因の一つだと考えられているのです。

今、心の発達の歪(ゆが)みは日本だけでなく世界各国で問題になり、知能教育より先に「心の知能指数(EQ)」を高めることが重要視されています。

心の健康を左右する感情のコントロール力が育てば、知識は後からでも獲得することができるからです。

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ふだんの生活のなかでEQを育ててあげよう

子どものEQは、ふだんの生活のなかで無理なく育てることができます。

たとえば、子どもがキャッキャッとはしゃいだときに無視するのではなく、「最高に楽しい気持ちだったんだね~」と、笑顔でいえばいいだけ。

泣いたときは、原因を想像して「○○ができなくて悔しかったね。こうしてみるといいよ」などと共感し、サポートしてあげるのです。

ママは忙しいですから毎回でなくてもかまいません。

感情の言葉がけが大事なことを覚えておき、気づいたときに実践してあげればOKです。

また、たとえば「部屋を掃除したから気持ちいい!」「ご飯がおいしくってうれしいな」など、なにかにつけてママが自分の感情を言葉と表情で表すことも、子どもの心の発達によい影響を与えます。

もし、自分の気持ちを表す言葉が思い浮かばないなら「感情の言葉」をネットなどで調べておくと参考になるでしょう。

泣いたり笑ったりが激しい子は、豊かな情緒の持ち主だということ。

その将来性のある感情を表に出す力をママの対応で上手に育てて、EQアップにつなげてあげたいですね。

文/宇野智子 写真/Adobe Stock
※この記事は幼児誌「げんき」に掲載された記事を再構成したものです。
わたなべ やよい

渡辺 弥生

教育学博士(発達心理学、発達臨床心理学)

大阪府生まれ。1983年筑波大学卒業。同大学大学院博士課程心理学研究科で学んだ後、筑波大学、静岡大学、途中ハーバード大学客員研究員を経...

げんきへんしゅうぶ

げんき編集部

幼児雑誌「げんき」「NHKのおかあさんといっしょ」「いないいないばあっ!」と、幼児向けの絵本を刊行している講談社げんき編集部のサイトで...