【すぐ泣く子への接し方】特徴や具体的な対処方を発達心理学者が回答

こんなときどうする? 子育てQ&A#94 よく泣く子、泣くと長い子。いい対処法は?

教育学博士:渡辺 弥生

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ちょっと叱っただけでメソメソ。

イヤなことがあるとすぐにワ~ン!

思わず「また泣く~。泣いてもママは知りませんよ!」といいたくなることってありますね。

発達心理学の専門家・渡辺弥生教授が子育ての悩みに答えます。

「よく泣く子、泣くと長い子。いい対処法は?」(2歳・女の子)

よく泣く子、泣くと長い子。いい対処法は?  写真/Adobe Stock

泣くのは、この子の特徴と受けとめることから

発達からいえば、1~3歳の時期は言葉も未熟で、感情のコントロールもまだできません。

不快を感じると泣いて表現するのは自然なことなのです。

ただ、そうはいっても「うちの子は、特別によく泣く!」と感じているママパパもいるかもしれませんね。

たしかに涙腺が弱い子、そうでない子がいます。

これは、頑固な子がいればあまり執着しない子もいる、食べっぷりがいい子もいれば小食の子もいるなどと同じで個人差の範囲です。

それに涙腺が弱いのは生理現象ですから、「泣いてはダメ」と叱ったとしても、それを止めるのは無理な話です。

これは、この子の特徴だと受けとめて、「どう関わってあげたらいいのかな?」と考えてあげるのが一番の対応法といえるでしょう。
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子どもの大泣きにうまく対応するには

ただ基本的に、子どもが泣くことは少しも悪いことではありません。

むしろ問題は、子どもの泣き声をママパパがつらく感じてしまいやすいという点です。

そのために、よく泣く子のママパパはイライラしてしまうこともあるでしょう。

これも愛情があるから起こることですが、その愛情を子どもが気分転換できるような工夫に向けてあげたいですね。

それには、まず、痛いところや発熱がないかなど体調を確認したうえで、次のような対応をしてみましょう。

★原因を想像して、「がまん」させるのではなく、可能なら取り除いてあげる。

★「一緒に○○を見よう」と誘うなどして、気分を変える方法を実行する。

★泣いていることを責めずに、ギュッと抱きしめて静まるのを待つ。

今はよく泣く子も、言葉や理解力、感情の調整力などの発達にともなって、泣くことがだんだんに減っていきます。

もし泣き声がつらいのなら、音を小さくするために耳栓を使ってもかまわないのです。

これらの工夫で、デ~ンと大きく構えて、泣く子を受けとめてあげられたらいいですね。

文/宇野智子 写真/Adobe Stock
※この記事は幼児誌「げんき」に掲載された記事を再構成したものです。
わたなべ やよい

渡辺 弥生

教育学博士(発達心理学、発達臨床心理学)

大阪府生まれ。1983年筑波大学卒業。同大学大学院博士課程心理学研究科で学んだ後、筑波大学、静岡大学、途中ハーバード大学客員研究員を経て、法政大学文学部心理学科教授。同大学大学院ライフスキル教育研究所所長兼務。教育学博士。専門は、発達心理学、発達臨床心理学。主な著書に『まんがでわかる発達心理学』、『11歳の身の上相談』(講談社)、『親子のためのソーシャルスキル』(サイエンス社)など。

大阪府生まれ。1983年筑波大学卒業。同大学大学院博士課程心理学研究科で学んだ後、筑波大学、静岡大学、途中ハーバード大学客員研究員を経て、法政大学文学部心理学科教授。同大学大学院ライフスキル教育研究所所長兼務。教育学博士。専門は、発達心理学、発達臨床心理学。主な著書に『まんがでわかる発達心理学』、『11歳の身の上相談』(講談社)、『親子のためのソーシャルスキル』(サイエンス社)など。

げんきへんしゅうぶ

げんき編集部

幼児雑誌「げんき」「NHKのおかあさんといっしょ」「いないいないばあっ!」と、幼児向けの絵本を刊行している講談社げんき編集部のサイトです。1・2・3歳のお子さんがいるパパ・ママを中心に、おもしろくて役に立つ子育てや絵本の情報が満載! Instagram : genki_magazine Twitter : @kodanshagenki LINE : @genki

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