4~5歳になると、おはしで食べられるようになる子もいますが、正しい持ち方をしているかというと、そうでもありません。
「おはしはいつごろから使わせたらいいの?」(3歳・男の子)
長い目でゆったりと教えていきましょう
ママやパパのなかにも「今でも苦手」「大きくなってから、自分で持ち方を練習した」という人もいるでしょう。
最近は、日本でもスプーンやフォークで食事をすることが増えていて、おはしが苦手でもそれほど困らないという現実もあります。
「○○歳だから、おはしを使わせなくては!」と生真面目に考えるより、むしろ、ゆったりと美しい日本の文化を伝えていく気持ちが大切なように思います。
具体的には、どう教えていったらいい?
一緒に買いにいって、好きなおはしを選ばせてあげると、興味もわくはずです。
1~3歳のステップとしては、
◆スプーンやフォークと一緒に、おはしも食卓に置いて、自由に選んで使えるようにしてあげます。
◆しばらくは持ち方を教えてもすぐに持ちかえて、握ってすくおうとしたり、刺して食べようとするでしょうが、細かく注意することはありません。
◆「ママは、できるよ~」と、正しい持ち方を見せながら、おはしを持つ指の形に整えてあげましょう。
ただ、発達からいっても、おはしを正しく使うのはまだ難しいもの。それができるようになるためには、たくさん遊びこむことが欠かせません。
よく「子どもは遊びのなかで学ぶ」といわれますが、生活に必要な動作だって遊びの経験のなかで身につけていくのです。
成長のためには「まず遊びありき!」です。
とくに幼児期は、手先を使ったり全身を使ったりするいろいろな遊びをたくさんさせましょう。
習い事は、なにかに特化した能力をアップさせますが、遊びは生きていくうえで必要な能力を総合的に獲得させてくれます。
そして、さまざまな経験をしていくなかで、結果的にスプーンやフォークよりも、おはしを使うほうが食べやすいと気づくこともあるでしょう。
また、それだけではなく、おはしのおき方といったルールも発見するかもしれません。
今は、あまり厳しくしない程度にチャレンジさせてあげるといいですね。
文/宇野智子 写真/Adobe Stock
げんき編集部
幼児雑誌「げんき」「NHKのおかあさんといっしょ」「いないいないばあっ!」と、幼児向けの絵本を刊行している講談社げんき編集部のサイトです。1・2・3歳のお子さんがいるパパ・ママを中心に、おもしろくて役に立つ子育てや絵本の情報が満載! Instagram : genki_magazine Twitter : @kodanshagenki LINE : @genki
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渡辺 弥生
大阪府生まれ。1983年筑波大学卒業。同大学大学院博士課程心理学研究科で学んだ後、筑波大学、静岡大学、途中ハーバード大学客員研究員を経て、法政大学文学部心理学科教授。同大学大学院ライフスキル教育研究所所長兼務。教育学博士。専門は、発達心理学、発達臨床心理学。主な著書に『まんがでわかる発達心理学』、『11歳の身の上相談』(講談社)、『親子のためのソーシャルスキル』(サイエンス社)など。
大阪府生まれ。1983年筑波大学卒業。同大学大学院博士課程心理学研究科で学んだ後、筑波大学、静岡大学、途中ハーバード大学客員研究員を経て、法政大学文学部心理学科教授。同大学大学院ライフスキル教育研究所所長兼務。教育学博士。専門は、発達心理学、発達臨床心理学。主な著書に『まんがでわかる発達心理学』、『11歳の身の上相談』(講談社)、『親子のためのソーシャルスキル』(サイエンス社)など。