でも、これは発達の段階や、個性の違いにしかすぎないことで、心配の必要はまったくありません。
「なかなか周囲となじめずに、お友だちがいるところへ連れていっても、いつも端っこで一人で遊んでいます。これで大丈夫なのでしょうか? なんだか心配です」(2歳・男の子)
一人遊びができていれば、心配いらない時期です
ほかの子がすることや持ち物に関心を向けたりはしますが、一緒にいても別々の遊びをそれぞれに楽しんでいるというのが自然な姿です。
つまり、友だち遊びより一人遊びが好きでも問題はないのです。
むしろ、一人遊びを十分に楽しめた子は、時期がくれば友だち遊びも上手にできるようになるといわれています。
「2歳2ヵ月の子。人見知りが激しく、公園にいっても、お友だちがいると固まってしまい、家に帰りたがります。よその子と仲よく遊ばせるにはどうしたらいいの?」(2歳2ヵ月・女の子)
友だち遊びの前の段階です。まず十分に安心させて
子どもは、ママがいつもそばにいて、なにかあったときには助けてくれると思えば、ママから離れて遊べるようになります。
こういう時期に、ママが焦るのは禁物。「お友だちと遊びなさい」と背中を押しすぎると、ますますママから離れられなくなることがあります。
今は、まだ友だち遊びの前の段階で、ママとの絆を作っている時期なのです。
お友だちを避ける場合は、その場所への不安がある可能性も。以前、お友だち同士のケンカを見て怖かったり、おもちゃを取られたりしたなどの体験があるのかもしれません。
こういう場合も、「ママがいるから大丈夫よ」と安心させてあげ、そばについて楽しく遊んであげていれば、まもなく解消するでしょう。
「2歳すぎたのに、ほかの子に興味がないみたいで、一緒に遊ぼうとしてくれません。みんなと仲よく遊べるようにする方法はない?」(2歳半・女の子)
お友だちへの関心は育っているので焦らずに
これは人見知りとは違うもので、その子の個性です。「この子はこういうタイプの子」と割りきり、個性を理解して対応してあげていれば、しだいに周囲に適応する力が養われます。
今は、それを理解したうえで、公園や児童館などへ連れていってあげたいですね。
お友だちと遊ばなくても、同年齢の子への関心は育っているので、離れて遊んでいても、ときどき様子を眺めたりするでしょう。
この時期は、その程度でいいのです。
一人遊びをしているときは口出しをせずに見守り、ママと遊びたがったら相手をし、ときには、ママも加わって、お友だちと遊ぶ機会を作ってあげましょう。
こういう無理のない対応をしていれば、今に、お友だちとも遊べるようになります。
文/宇野智子 写真/Adobe Stock

げんき編集部
幼児雑誌「げんき」「NHKのおかあさんといっしょ」「いないいないばあっ!」と、幼児向けの絵本を刊行している講談社げんき編集部のサイトで...
渡辺 弥生
大阪府生まれ。1983年筑波大学卒業。同大学大学院博士課程心理学研究科で学んだ後、筑波大学、静岡大学、途中ハーバード大学客員研究員を経...