子どもの能力を伸ばすにはどんな遊びをするといい? 発達心理学者が回答
こんなときどうする? 子育てQ&A#41「子どもの能力を伸ばすには、どんな遊びがいいの?」
2022.04.13
教育学博士:渡辺 弥生
でも、具体的にどんなことをどのように学んでいるのか、わからないという声もよく聞きます。
1~3歳は、体や五感を使う遊びを思い切り楽しませてみてください。
「子どもの能力を伸ばすには、どんな遊びがいいの?」(2歳・男の子)
遊びは「学びを得る」“総合デパート”
たとえば、「社会性」や「思いやり」などがあげられます。
いい例が、4~5歳ごろにさかんになるごっこ遊びです。
ままごとでは、家庭での出来事を友だち同士で表現しあい、互いを思いやることや、家庭での役割を認識していきます。
電車ごっこや、お店屋さんごっこでは、社会を疑似体験していきます。
遊びは子どもの想像力をかきたてます。
想像力は創造力へとつながる力で、大人になってから花開く才能は、ここから生まれます。
子どもたちは、遊びのなかで喜びや失敗、いい意味でのあきらめや妥協、逆に粘り強さも体験していきます。
遊びは、なんでもある学びの“総合デパート”なのです。
1~3歳は、体や五感を使う遊びが大事
体や五感を使って遊び込むことが重要な時期です。
歩く、走る、登る、転がる、投げるなどの全身運動や手先を使う遊び。
見たり、聞いたり、さわったりして五感で感じとる遊び。どちらも、子どもの感覚(感性)を育ててくれます。
とくに屋外は感覚を刺激する遊びの宝庫です。
体を動かして遊びながら、「砂や土、水、風の感触を味わう」「草花や土の香りを感じる」「遊具で遊んでスピード感を体験する」など。
室内なら、紙を破いたり丸めたりして、その音や感触を味わったり、粘土遊びをしたり、お絵かきで色を楽しんだりなど。
また、臭いや音がしたら、それがなにか親子で想像して遊んでみてもいいですね。
感性は想像力や創造力の原動力になって、さまざまな能力が育つベースになるものです。
そして、友だち遊び期には、今の時期に十分に遊んだ経験がいかされ、より充実した時間を過ごすことができます。
1~3歳は生活のあらゆるものに興味津々の時期。
高価なおもちゃを買わなくても、これらの遊びを取り入れてみたらいいですね。
主体的に行動できる子に育ってくれます
これには、子どもなりにストレスを吹っ飛ばして気持ちを浄化する(カタルシス)効果があるといわれています。
子どもの遊びって、すごいですね。
今の時代、受け身ではなく、自分で考えて主体的に行動できる人材が求められています。
子ども時代に遊び込んだ子は、創造性や主体性、社会性など、さまざまな力が育ちます。
1~3歳の感覚を使う遊びは、その基盤になるものといえるのです。
文/宇野智子 写真/Adobe Stock
げんき編集部
幼児雑誌「げんき」「NHKのおかあさんといっしょ」「いないいないばあっ!」と、幼児向けの絵本を刊行している講談社げんき編集部のサイトです。1・2・3歳のお子さんがいるパパ・ママを中心に、おもしろくて役に立つ子育てや絵本の情報が満載! Instagram : genki_magazine Twitter : @kodanshagenki LINE : @genki
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渡辺 弥生
大阪府生まれ。1983年筑波大学卒業。同大学大学院博士課程心理学研究科で学んだ後、筑波大学、静岡大学、途中ハーバード大学客員研究員を経て、法政大学文学部心理学科教授。同大学大学院ライフスキル教育研究所所長兼務。教育学博士。専門は、発達心理学、発達臨床心理学。主な著書に『まんがでわかる発達心理学』、『11歳の身の上相談』(講談社)、『親子のためのソーシャルスキル』(サイエンス社)など。
大阪府生まれ。1983年筑波大学卒業。同大学大学院博士課程心理学研究科で学んだ後、筑波大学、静岡大学、途中ハーバード大学客員研究員を経て、法政大学文学部心理学科教授。同大学大学院ライフスキル教育研究所所長兼務。教育学博士。専門は、発達心理学、発達臨床心理学。主な著書に『まんがでわかる発達心理学』、『11歳の身の上相談』(講談社)、『親子のためのソーシャルスキル』(サイエンス社)など。