子どもの能力を伸ばすにはどんな遊びをするといい? 発達心理学者が回答

こんなときどうする? 子育てQ&A#41「子どもの能力を伸ばすには、どんな遊びがいいの?」

教育学博士:渡辺 弥生

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「子どもは遊びのなかで多くのことを学ぶ」と知っているママは多いと思います。

でも、具体的にどんなことをどのように学んでいるのか、わからないという声もよく聞きます。

1~3歳は、体や五感を使う遊びを思い切り楽しませてみてください。
発達心理学の専門家・渡辺弥生教授が子育ての悩みに答えます。

「子どもの能力を伸ばすには、どんな遊びがいいの?」(2歳・男の子)

子どもの能力を伸ばすには、どんな遊びがいいの? 写真/Adobe Stock

遊びは「学びを得る」“総合デパート”

「遊び」がすごいのは、親が教えにくいことを学ばせてくれる点です。

たとえば、「社会性」や「思いやり」などがあげられます。
 
いい例が、4~5歳ごろにさかんになるごっこ遊びです。

ままごとでは、家庭での出来事を友だち同士で表現しあい、互いを思いやることや、家庭での役割を認識していきます。

電車ごっこや、お店屋さんごっこでは、社会を疑似体験していきます。

遊びは子どもの想像力をかきたてます。

想像力は創造力へとつながる力で、大人になってから花開く才能は、ここから生まれます。

子どもたちは、遊びのなかで喜びや失敗、いい意味でのあきらめや妥協、逆に粘り強さも体験していきます。

遊びは、なんでもある学びの“総合デパート”なのです。
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1~3歳は、体や五感を使う遊びが大事 

1~3歳は、友だち遊びに移行する前段階。

体や五感を使って遊び込むことが重要な時期です。

歩く、走る、登る、転がる、投げるなどの全身運動や手先を使う遊び。

見たり、聞いたり、さわったりして五感で感じとる遊び。どちらも、子どもの感覚(感性)を育ててくれます。

とくに屋外は感覚を刺激する遊びの宝庫です。

体を動かして遊びながら、「砂や土、水、風の感触を味わう」「草花や土の香りを感じる」「遊具で遊んでスピード感を体験する」など。

室内なら、紙を破いたり丸めたりして、その音や感触を味わったり、粘土遊びをしたり、お絵かきで色を楽しんだりなど。

また、臭いや音がしたら、それがなにか親子で想像して遊んでみてもいいですね。

感性は想像力や創造力の原動力になって、さまざまな能力が育つベースになるものです。

そして、友だち遊び期には、今の時期に十分に遊んだ経験がいかされ、より充実した時間を過ごすことができます。

1~3歳は生活のあらゆるものに興味津々の時期。

高価なおもちゃを買わなくても、これらの遊びを取り入れてみたらいいですね。
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主体的に行動できる子に育ってくれます 

また、子どもは疲れないのかと思うほど体を動かして遊びます。

これには、子どもなりにストレスを吹っ飛ばして気持ちを浄化する(カタルシス)効果があるといわれています。

子どもの遊びって、すごいですね。

今の時代、受け身ではなく、自分で考えて主体的に行動できる人材が求められています。

子ども時代に遊び込んだ子は、創造性や主体性、社会性など、さまざまな力が育ちます。

1~3歳の感覚を使う遊びは、その基盤になるものといえるのです。

文/宇野智子 写真/Adobe Stock
※この記事は幼児誌「げんき」に掲載された記事を再構成したものです。
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わたなべ やよい

渡辺 弥生

教育学博士(発達心理学、発達臨床心理学)

大阪府生まれ。1983年筑波大学卒業。同大学大学院博士課程心理学研究科で学んだ後、筑波大学、静岡大学、途中ハーバード大学客員研究員を経て、法政大学文学部心理学科教授。同大学大学院ライフスキル教育研究所所長兼務。教育学博士。専門は、発達心理学、発達臨床心理学。主な著書に『まんがでわかる発達心理学』、『11歳の身の上相談』(講談社)、『親子のためのソーシャルスキル』(サイエンス社)など。

大阪府生まれ。1983年筑波大学卒業。同大学大学院博士課程心理学研究科で学んだ後、筑波大学、静岡大学、途中ハーバード大学客員研究員を経て、法政大学文学部心理学科教授。同大学大学院ライフスキル教育研究所所長兼務。教育学博士。専門は、発達心理学、発達臨床心理学。主な著書に『まんがでわかる発達心理学』、『11歳の身の上相談』(講談社)、『親子のためのソーシャルスキル』(サイエンス社)など。

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げんき編集部

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