きょうだいげんかがひどい!どうしたら? 発達心理学の専門家が答えます

こんなときどうする?子育てQ&A#8「きょうだいげんか、どう対応すればいい?」

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きょうだいはつねに親の愛情の取り合いをする、いわばライバル関係です。なので、けんかをすることはある意味自然なことなのですが、親としてはやはり心配ですね。

発達心理学の専門家・渡辺弥生教授が子育ての悩みに答えます。

「きょうだいげんかをしているときの声かけの仕方、タイミングなどを知りたいです」(3歳・男の子)

声かけのタイミングはいつ? 写真/Adobe Stock

どちらが正しいかではなく、解決の仕方に導きましょう

声かけのタイミングは、最初から止めるのではなく、お互い意見をぶつけている段階は、子どもの考えを知るいいチャンス。手が出そうになるときは、止めましょう。

声かけも「やめなさい」ばかりではなく、「なぜけんかしたの?」とそれぞれの意見を聞くことが大事。

よくあるおもちゃの取り合いなどは「まだ遊びたいのに取られて悔しかったんだね」「早く遊びたいのに、いつまでも貸してくれなかったんだね」など、けんかのおおもとの原因をそれぞれに考えさせます。

その後に解決策を考えさせ、「次は貸してあげられるといいね」「待てるといいね」などと、アドバイスします。

どちらが正しいかではなく、問題の解決の仕方に導いていくこと。けんかこそ学びの場ととらえ、おおらかに接していきましょう。

「きょうだいげんかのとき、どうしても下の子ばかりをかばい、上の子を叱ってしまいます」(2歳半・女の子)

下の子ばかりかばうのは良くない? 写真/Adobe Stock

上の子の立場にたつことが大切です

弟妹のほうが小さいからといって、一方的にかばうのはあまりよくありません。

親はつい下の子の視点にたってしまいがちですが、言葉や状況をより理解している上の子の立場にたつことが大切です。

上の子と2人きりのときに「小さい子はわがままを言うし、できないことも多いから、あなたは大変だよね。がんばっているね。でも、がまんできないみたいだから、ゆずってあげられるといいね」と言葉にして伝えましょう。

お母さんやお父さんは自分の気持ちをわかってくれている、自分を愛してくれているとわかれば、下の子への態度も変わるはずです。

上の子が子育ての味方になってくれると、心強いですよ。

「子どもが3人いますが、けんかばかりで困っています」(3歳・女の子)

いつもケンカばかり。どうしたらいい? 写真/Adobe Stock

「3人いるメリット」を伝えていきましょう

3人きょうだいでも、全員の言い分を聞いて、冷静にアドバイスをするというプロセスは同じです。

普段から「三人寄れば文殊の知恵」や毛利元就(もうりもとなり)の「三矢(さんし)の教え」など、「3人いるメリット」を会話や絵本を通して伝えるのもいいかもしれませんね。

けんかは「自分の要求が通らないことがある」と知る、社会を学ぶいい機会です。親はきょうだいげんかを通して、それぞれに何を学ばせたらいいか、日頃から考えておくことが大切。

良い子か悪い子かを決めるのではなく、全員の学びにつながるように、見守っていきましょう。

文/久世恵美 写真/Adobe Stock
※この記事は幼児誌「げんき」に掲載された記事を再構成したものです。
わたなべ やよい

渡辺 弥生

教育学博士(発達心理学、発達臨床心理学)

大阪府生まれ。1983年筑波大学卒業。同大学大学院博士課程心理学研究科で学んだ後、筑波大学、静岡大学、途中ハーバード大学客員研究員を経...

げんきへんしゅうぶ

げんき編集部

幼児雑誌「げんき」「NHKのおかあさんといっしょ」「いないいないばあっ!」と、幼児向けの絵本を刊行している講談社げんき編集部のサイトで...