子どものできないことも「自分で!」 にはどうすべき? 発達の専門家が回答

こんなときどうする? 子育てQ&A#73「「自分で!」といったり、甘えてきたり、対応に困っています」

教育学博士:渡辺 弥生

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2歳ごろになると、できないことまで「自分でやる!」といいはって、ママパパを困らせることが出てきます。

ママパパは「面倒だな~」と思うかもしれませんね。

でも、これは自発性が伸びてきているあかしです。

発達心理学の専門家・渡辺弥生教授が子育ての悩みに答えます。

「『自分で!』といったり、甘えてきたり、対応に困っています」(3歳・男の子)

「自分で!」といったり、甘えてきたり、対応に困っています  写真/Adobe Stock

成長には、甘える力と自立する力の両方が必要

発達の流れでいうと、親子関係がきちんと形成されて安心感ができてくると、次の段階として「自分で!」という意欲や探索したい気持ちが強まります。

つまり、健全に成長しているということです。

もう一つ、ママパパたちが心配するのが「甘え」ですね。

「甘え=依存」は、自立の妨げだと思われがちですが、そんなことはないのです。

近年の研究では「甘えは自立の種ともいえるもの」で、満たされることで自立に向かうとされています。

そして、怖い、不安、悲しいなどのストレスがおきたときに、信頼できる人の支援を積極的に受けた子ほど、社会での適応力が高いともいわれています。

もちろん「わがままがすぎる」とママパパが感じた場合は別にしても、子どもがママパパを求めたときは、できるだけ気持ちを受けとめ、同時に自分でやりたいという気持ちを引き出していく対応が大事なのです。

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自発性をつぶさないベストな対応法は?

◆できないことまで「自分で!」といいはるときは

1~3歳では、自分でやりたい気持ちは高まっても、それを自分でできるかどうかの判断はつきません。

ですから、そういうときは、

1  「自分でやりたい」気持ちを自発性の表れだと受けとめて、頭ごなしに拒絶しないようにします。

2  「じゃあ、やってみて」と、さりげなく手伝いながらやらせてあげましょう。

また、たとえば、ボタンかけだったら、大きなボタンがついたものを用意するなどして、やりやすい環境を整えることも大事です。

3 そして、がんばってやろうとしたときは、ほめてあげましょう。

ママパパも忙しいので、すべてこのようにはできないかもしれませんね。

ただ、つきあってあげられるときは、支援して挑戦させてあげましょう。

◆できることまで「やって~」と甘えてきたときは

今は、ママパパのサポートをほしがっているのです。

子どもがなにも求めていない場面で手出しや口出しをするのは避けたいですが、子どもから求めてきた場合は、

1 まずは受けてあげましょう。

2 そのうえで「○○ちゃんもやってみせて。上手にできるかな~?」などと楽しく誘いかけて、自分でするように促していきます。

3  「さすが~! できた~!」などとほめてあげると励みになります。

とくに日本では子どもの甘えに対して心配しすぎる傾向があります。

でも、甘えたい気持ちを満足させながら、同時に自立に向ける働きかけを意識して実践していけば、子どもはしっかり伸びていくのです。

文/宇野智子 写真/Adobe Stock
※この記事は幼児誌「げんき」に掲載された記事を再構成したものです。
わたなべ やよい

渡辺 弥生

教育学博士(発達心理学、発達臨床心理学)

大阪府生まれ。1983年筑波大学卒業。同大学大学院博士課程心理学研究科で学んだ後、筑波大学、静岡大学、途中ハーバード大学客員研究員を経...

げんきへんしゅうぶ

げんき編集部

幼児雑誌「げんき」「NHKのおかあさんといっしょ」「いないいないばあっ!」と、幼児向けの絵本を刊行している講談社げんき編集部のサイトで...