まずは、冷静に叱るためにママの心と体をラクにすることからはじめましょう。
「冷静に叱るのは難しい! どなってしまうことはいけないこと?」(2歳・男の子)
冷静に叱るって、どういうことなんだろう?
ただ、それが続くのはよくないばかりか、子どももママもつらくなるだけ。ぜひ対策を考えたいですね。
では、冷静に叱るというのは、どういうことなのでしょうか?
それは、「今から、この子に、こういうことを教えたいから、ちゃんと伝えなくては」という意思がはっきりしていること。
そして「子どもが理解できたかな」と、考えることができることです。
難しいことに思えますが改善していくことができます。
感情的に怖く叱るのは逆効果
たしかに、一時的には効果があるように思えます。
でも、それは「怖いからやめる」だけ。
怖い人がいないところでは、同じことをやる可能性が高いのです。
やっぱり、冷静に「それが、なぜいけないのか」を根気よく伝えていくことが大事なのです。
また、怖い叱り方はエスカレートしやすいのも問題です。
ただ、子どもが危険な場面は例外です。
大声を出してでも必死に止めることが最優先です。
ママのイライラの原因をチェックしてみよう
体や心がめいっぱいのときは、だれでもイライラしやすいのです。
まず、ママが少しでも楽になるために、イライラの原因を取り除きましょう。
それには、
①原因をチェック
自分がどういうときにイライラしやすいのか思い返してみましょう。
たとえば、時間に追われているとき、夫や周囲の人への不満が大きくなっているとき、体が疲れているときなど。
紙に具体的に書き出すと原因が見えてきます。
②対策を考える
その状況を減らすには、どうしたらいいかも書いてみましょう。
夫が手伝ってくれないのが原因になっているなら、夫に「イライラして、子どもを叱ることが増えているから、せめて、こういうことだけでもしてくれると助かる」というような相談をすることが必要ですね。
これは夫との交渉ですから、それこそ冷静に作戦をたててのぞみましょう。
いずれにしても、やれそうなことを一つ選んで、まず実行してみるといいですね。
状況を変えていくためのアクションが必要
1~3歳の子育ては、本当に楽ではありません。
だからこそ、あえて「なぜ?」「それはどうしたら解決する?」と考えて、気分転換をするなど、状況をかえていくためのアクションが必要です。
これが習慣になると、間違いなく冷静な行動がとれるようになります。
ぜひ一度、試してみてはどうでしょうか。
文/宇野智子 写真/Adobe Stock

げんき編集部
幼児雑誌「げんき」「NHKのおかあさんといっしょ」「いないいないばあっ!」と、幼児向けの絵本を刊行している講談社げんき編集部のサイトで...
渡辺 弥生
大阪府生まれ。1983年筑波大学卒業。同大学大学院博士課程心理学研究科で学んだ後、筑波大学、静岡大学、途中ハーバード大学客員研究員を経...