子どもがダダをこねる理由とその対処法は? 発達心理の専門家が回答

こんなときどうする? 子育てQ&A#82 「ダダこね」「かんしゃく」にどう対応したらいい?

教育学博士:渡辺 弥生

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2歳前後のころは自我が芽生えて、自分の思うようにしてみたいという意欲が自己主張となって出てきます。

これは成長のあかしです。

発達心理学の専門家・渡辺弥生教授が子育ての悩みに答えます。

「『ダダこね』『かんしゃく』にどう対応したらいい?」(1歳・女の子)

「ダダこね」「かんしゃく」にどう対応したらいい?  写真/Adobe Stock

自我が発達して、自己主張が強くなる年齢

2歳前後は、感情のコントロールがまだできないために、「欲しい」「やりたい」「それはイヤ」などという気持ちをガマンするのは難しい年齢です。

言葉も発達途中で、「だるい」「ねむい」「お腹がすいた」「うまくできない」などの不快な感情をうまく表現することができません。

そのために、ダダをこねたり、かんしゃくを起こしたりしやすいのです。

ママパパは、わが子がいうことをきかない子に育っている気がして不安になるかもしれません。

でも、今の子どもの扱いにくさは成長の一過程ともいえるもの。

厳しく叱ることではないと、まず知っておきましょう。
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成長にプラスになる対応をしていきたいですね

その次にくるのが、具体的にどう接していったらいいかということです。

それには二つの視点があります。

一つは、その場を乗り切る対処法。もう一つは、子どもを教え育てるための対処法です。

1.その場を乗り切る方法

◆ぐずりの傾向をチェック!

1~3歳では、ぐずりの直接の原因の裏に生理的な不快感が隠れていることが多いものです。

空腹や眠気がなければ、同じ状況でも大泣きせずにすむこともあります。  

それがわかれば、外出時はおやつを持参したり、眠気が問題なら早めに抱いてあげたりする対応で、激しいぐずりを避けることも可能です。

そのためにも、ぐずるときの傾向をチェックしてみましょう。

「何時ごろ、どういう状況で」と、メモしておいて原因を探すのも方法です。

その作業をすることで、ママパパも冷静さを保てるので、一石二鳥です。

◆気分転換をさせる

その場に欲しいものがあったりしてぐずるときは、泣いている子を抱いてでもその場から離れましょう。

そして、少し落ち着いたら、「あっちに○○があるよ」などと、子どもの興味を誘うもので気分転換をしてあげるのも効果的です。

2.子どもに教えていく方法

◆気持ちを代弁してあげる

「お腹がすいてたから泣いちゃったのね」「自分でやりたかったのに、できなくて悔しかったね」などと代弁してあげましょう。

こうした対応を受けるうちに、「泣かずに○○といえばいいんだ」と学んでいきます。

そして、もし言葉でいえたときはたくさんほめてあげることも大切です。

◆一度ダメといったことは一貫して

泣かれたからといって、一回「ダメ」といったことを撤回すると、ゴネ得を覚えることにつながります。

文/宇野智子 写真/Adobe Stock
※この記事は幼児誌「げんき」に掲載された記事を再構成したものです。
わたなべ やよい

渡辺 弥生

教育学博士(発達心理学、発達臨床心理学)

大阪府生まれ。1983年筑波大学卒業。同大学大学院博士課程心理学研究科で学んだ後、筑波大学、静岡大学、途中ハーバード大学客員研究員を経て、法政大学文学部心理学科教授。同大学大学院ライフスキル教育研究所所長兼務。教育学博士。専門は、発達心理学、発達臨床心理学。主な著書に『まんがでわかる発達心理学』、『11歳の身の上相談』(講談社)、『親子のためのソーシャルスキル』(サイエンス社)など。

大阪府生まれ。1983年筑波大学卒業。同大学大学院博士課程心理学研究科で学んだ後、筑波大学、静岡大学、途中ハーバード大学客員研究員を経て、法政大学文学部心理学科教授。同大学大学院ライフスキル教育研究所所長兼務。教育学博士。専門は、発達心理学、発達臨床心理学。主な著書に『まんがでわかる発達心理学』、『11歳の身の上相談』(講談社)、『親子のためのソーシャルスキル』(サイエンス社)など。

げんきへんしゅうぶ

げんき編集部

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