でも、思いやりの心って、どのようにして育っていくのでしょうか?
「思いやりのある子に育てたい」(3歳・男の子)
「思いやりの芽」を育てていく年齢です
周囲の人への思いやりの気持ちはそのあと徐々に育まれていきます。
ところが、1~3歳はまだ自分の感情もよくわからない年齢ですから、「思いやりが大事よ」とか、「思いやりのない子ね」と叱ったりしてもピンとこないかもしれません。
ただ、2歳ごろはお友だちへの興味が高まり、「泣いているね」などと表情の変化に気づく子も出てきます。
成長目覚ましい時期ですから、そろそろ生活の各場面で、「やさしい」とはどんな考えや行動なのか、具体的に伝えていきながら、「思いやりの芽」を育ててあげるとよいでしょう。
どんなふうに教えていったらいいの?
できることから少しずつ心がけてみるとよいでしょう。
◆子どもの「やさしい」行動を見逃さずに言葉で伝える
だれかのお世話を焼こうとしたり、人形をかわいがったりするなど、気をつけていると子どもがやさしい行動をとることがあります。
それを見逃さず、「○○してあげたんだ、やさしいね。△△は喜んでいるね」などと、やさしさをわかりやすく伝えましょう。
ママパパの笑顔から「やさしくなりたい」という思いを強くします。
◆絵本やテレビ番組などを活用して
絵本や幼児向けの映像には「やさしさ」をテーマにしたものが少なくありません。
そういうシーンが出てきたら「○○してあげたね。やさしいね」などと話してあげましょう。
◆身近な人のやさしさも伝えて
お友だちなど周囲の人のやさしい行動もよいモデルになります。
そのやさしさや、そのときのうれしさを言葉にして伝えましょう。
◆ママパパの思いやりを子どもに届けて
ママパパが具合悪そうにしていると、子どもが「ママ、イタイ、イタイ?」などといって頭をなでてくれた経験はありませんか?
いつもママパパが自分にしてくれるように対応しようとしているのですね。
子どもは、思いやりを受けた体験から学んでいきます。
たとえば、子どもが泣いたり怒ったりしたときに「悔しかったね」「びっくりしたね」などと気持ちを代弁して共感してあげるのはママパパの思いやりですね。
同時にこれは、子どもが自分の感情に気づいていくのにも役立ちます。
◆よその子にもやさしい対応を
わが子同様によその子にもやさしく接してあげましょう。
たとえば、お友だちが転んだときに「痛かったね。だいじょうぶ? 強い、強い!」と、励ましたりなぐさめたりするママパパのやさしい姿を見ることは、言葉以上にわが子の心に響くでしょう。
文/宇野智子 写真/Adobe Stock
げんき編集部
幼児雑誌「げんき」「NHKのおかあさんといっしょ」「いないいないばあっ!」と、幼児向けの絵本を刊行している講談社げんき編集部のサイトです。1・2・3歳のお子さんがいるパパ・ママを中心に、おもしろくて役に立つ子育てや絵本の情報が満載! Instagram : genki_magazine Twitter : @kodanshagenki LINE : @genki
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渡辺 弥生
大阪府生まれ。1983年筑波大学卒業。同大学大学院博士課程心理学研究科で学んだ後、筑波大学、静岡大学、途中ハーバード大学客員研究員を経て、法政大学文学部心理学科教授。同大学大学院ライフスキル教育研究所所長兼務。教育学博士。専門は、発達心理学、発達臨床心理学。主な著書に『まんがでわかる発達心理学』、『11歳の身の上相談』(講談社)、『親子のためのソーシャルスキル』(サイエンス社)など。
大阪府生まれ。1983年筑波大学卒業。同大学大学院博士課程心理学研究科で学んだ後、筑波大学、静岡大学、途中ハーバード大学客員研究員を経て、法政大学文学部心理学科教授。同大学大学院ライフスキル教育研究所所長兼務。教育学博士。専門は、発達心理学、発達臨床心理学。主な著書に『まんがでわかる発達心理学』、『11歳の身の上相談』(講談社)、『親子のためのソーシャルスキル』(サイエンス社)など。