でも、それは間違いです。
「子どもをたたいて叱ってはいけないの?」(2歳・女の子)
たたかれたことに驚くだけで意味がない
でも、子どもは驚いたり、怖かったりして一時的にやめるだけ。
どうして叱られたのか理解しているわけではありません。
むしろ、何も学べずに、怖い人がいなければ「やる」というようなことがおこります。
また、まねをする可能性もあります。
さらに、たたくことが続くと、しだいにたたき方がエスカレートして、収拾がつかなくなるケースもあります。
そして、子どもに「なんでも〈力〉で解決すればいい」と教えることにつながる可能性だって高いのです。
ふつう大人同士の関係では「たたく」という行為に抵抗を感じます。
それを思えば、まだ幼いわが子を「たたく」ことが、いいことなのか悪いことなのかの判断はつきますね。
根気よく教えていくのは大変だけど…
「昨日も言ったのに、また……!」と思いがちですが、大人ではないので、そうは急に覚えられません。
言葉を覚えるときのように、何度もくり返し聞くから理解していくことができるのです。
叱る内容は多いでしょうが、できれば「どうしても教えたい」という最小限のことだけを根気よく伝えましょう。
1~3歳なら、身の危険に関すること、教育方針として教えたいことなど、五つもないはずです。
エネルギーがいりますが、そうやって丁寧に教えたことが子どもの財産になります。
毎日の子育てのなかでは、ストレスがピークになってカッとなることもあります。
そんな傾向を感じたら早めにリフレッシュを。
そして、子どもの困ったように見える言動は、発達の一過程であることが多いので、発達の道筋を調べてみるのもいいですね。
「今、こういう心が育っているから、この行動が出ているんだわ」と分かると、ゆとりをもって子育てができるはずです。
文/宇野智子 写真/Adobe Stock
げんき編集部
幼児雑誌「げんき」「NHKのおかあさんといっしょ」「いないいないばあっ!」と、幼児向けの絵本を刊行している講談社げんき編集部のサイトです。1・2・3歳のお子さんがいるパパ・ママを中心に、おもしろくて役に立つ子育てや絵本の情報が満載! Instagram : genki_magazine Twitter : @kodanshagenki LINE : @genki
幼児雑誌「げんき」「NHKのおかあさんといっしょ」「いないいないばあっ!」と、幼児向けの絵本を刊行している講談社げんき編集部のサイトです。1・2・3歳のお子さんがいるパパ・ママを中心に、おもしろくて役に立つ子育てや絵本の情報が満載! Instagram : genki_magazine Twitter : @kodanshagenki LINE : @genki
渡辺 弥生
大阪府生まれ。1983年筑波大学卒業。同大学大学院博士課程心理学研究科で学んだ後、筑波大学、静岡大学、途中ハーバード大学客員研究員を経て、法政大学文学部心理学科教授。同大学大学院ライフスキル教育研究所所長兼務。教育学博士。専門は、発達心理学、発達臨床心理学。主な著書に『まんがでわかる発達心理学』、『11歳の身の上相談』(講談社)、『親子のためのソーシャルスキル』(サイエンス社)など。
大阪府生まれ。1983年筑波大学卒業。同大学大学院博士課程心理学研究科で学んだ後、筑波大学、静岡大学、途中ハーバード大学客員研究員を経て、法政大学文学部心理学科教授。同大学大学院ライフスキル教育研究所所長兼務。教育学博士。専門は、発達心理学、発達臨床心理学。主な著書に『まんがでわかる発達心理学』、『11歳の身の上相談』(講談社)、『親子のためのソーシャルスキル』(サイエンス社)など。