自分で出来ることを「やって!」と甘える子 どうすべき? 専門家が回答

こんなときどうする? 子育てQ&A#97 自分でできるのに「ママ、やって~」と甘えます。

教育学博士:渡辺 弥生

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おしゃべりも上手になり、できることが少しずつ増えてくるのは、ママパパにとっても大きな喜びです。

ところが、子どもの成長は右肩上がりに進むわけではありません。

発達心理学の専門家・渡辺弥生教授が子育ての悩みに答えます。

「自分でできるのに『ママ、やって~』と甘えます。」(3歳・男の子)

自分でできるのに「ママ、やって~」と甘えるときは、どうすればいい?  写真/Adobe Stock

ママパパに甘えて安心しながら成長していきます

とくに自立心が伸びる時期は、少し不安になってママパパに甘えたくなることがよくあります。

子どもは、このとき、ママパパに自分の思いを受けとめてもらえることを確認しようとしています。

そして、しっかり受けとめてもらえると知って安心し、少しずつ成長の階段を上っていくのです。

子どもに求められてもいないときに手出しや口出しをして甘やかすのは問題ですが、子どもが甘えてきたときは、まずは受けとめてあげてください。

たとえば、食事を食べさせてほしがるなら、一口食べさせてあげて、「次は○○ちゃん、食べてみて」と誘い、「自分で食べるのが上手ね~。ママ、うれしいな」と、ほめてあげましょう。

ママパパに受けとめてもらって安心し、ほめてもらってうれしくなる……。

これが子どもの成長のパワーになるのです。
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子どもの成長を促す秘訣は?

子どもの成長エネルギーともいえる大切なものが好奇心や意欲です。

1~3歳の子どもは、まだ未熟ですが、ちょっとした対応でそれらを伸ばすことができます。

そのポイントは、

◆好奇心を誘う環境を用意して、思いきり遊ばせましょう。

◆子どもが行動するまえに、ママパパが気を利かせすぎて手を出しすぎないように心がけて。

◆やりたがることは、できるだけやらせ、難しそうなら、さりげなく手伝い、達成感を味わわせましょう。

◆できばえではなく、自分でやろうとした意欲をちゃんと認めてあげます。

◆できなくて泣いてしまったときは、「次は、きっとできるようになるよ」と励ましの言葉をかけることも大切です。

ママパパは子どものよきサポーターでありたいですね。

それは、たとえば、はしごの上で作業をしている人に気づかれないように、そっとはしごを支えるイメージです。

甘えてきたときはしっかり受けとめ、子どもが安心して次の好奇心に向かっていけるように、成長をバックアップしてあげてください。


文/宇野智子 写真/Adobe Stock
※この記事は幼児誌「げんき」に掲載された記事を再構成したものです。
わたなべ やよい

渡辺 弥生

教育学博士(発達心理学、発達臨床心理学)

大阪府生まれ。1983年筑波大学卒業。同大学大学院博士課程心理学研究科で学んだ後、筑波大学、静岡大学、途中ハーバード大学客員研究員を経て、法政大学文学部心理学科教授。同大学大学院ライフスキル教育研究所所長兼務。教育学博士。専門は、発達心理学、発達臨床心理学。主な著書に『まんがでわかる発達心理学』、『11歳の身の上相談』(講談社)、『親子のためのソーシャルスキル』(サイエンス社)など。

大阪府生まれ。1983年筑波大学卒業。同大学大学院博士課程心理学研究科で学んだ後、筑波大学、静岡大学、途中ハーバード大学客員研究員を経て、法政大学文学部心理学科教授。同大学大学院ライフスキル教育研究所所長兼務。教育学博士。専門は、発達心理学、発達臨床心理学。主な著書に『まんがでわかる発達心理学』、『11歳の身の上相談』(講談社)、『親子のためのソーシャルスキル』(サイエンス社)など。

げんきへんしゅうぶ

げんき編集部

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