年の近い幼児のきょうだいをうまく育てる方法は? 発達の専門家が回答!
こんなときどうする?子育てQ&A#28「きょうだいをうまく育てるにはどうしたらいい?」
2022.03.15
教育学博士:渡辺 弥生
でも、子どもにとっては、きょうだいがいるから学べることもあるし、親としても、わが子たちから人数分以上の喜びをもらえるという楽しみもあります。
親にも子どもにもベターなきょうだいの育児について一緒に考えてみましょう。
「上の子の遊びを2歳になる下の子がじゃましたり、ものを取ったりします。そのうち、どちらかが怒ったり泣いたりして、もう大変。どう関わればいいのでしょう?」(3歳・男の子)
社会性を育てるチャンスでもあります
「年上なんだから」と上の子を叱るのではなく、年上の子の苦労や立派さに理解を示し、「花をもたせ」ながら、下の子を思いやれるようなアドバイスができたら最高です。
たとえば、上の子には、「○○ちゃんは大きいからわかっているけど、(下の子は)小さいからわからないのよ。許してあげてね。貸してもいいときに貸してあげると喜ぶよ」。
下の子には、「(上の子が)遊んでいるからダメよ。これで遊ぼうね」などと伝えられるとベストです。
機会があれば、「順番こ」のルールを教えてもいいですね。
毎回でなくていいので、互いの気持ちや事情をママが代弁してあげると社会性の育ちにつながります。
まだ教えてもわからないと思うでしょうが、今の時期から伝えていけば、それが子どもに染みこんでいきます。
「1歳前の下の子を抱っこやおんぶしながら、上の子を砂遊びさせるのも大変な時期です。そのせいで室内遊びばかりになって、上の子がかわいそうな気がしています」(3歳・女の子)
「~しなければならない」という考えをやめてみて
「子どもに外遊びをさせなくちゃ!」などと、ママが無理をしすぎるのは、かえってマイナス。
大変なときは、家のなかで十分に遊ばせてあげるだけでも大丈夫です。
制約が多いこの時期は、子どもとママの両方が、ほどよく楽しく過ごすための方法を選択しましょう。
「~しなければいけない」という縛りこそが、ママの大敵なのです。
今は、公的なもの、私的なものなど、積極的にだれかの手やシステムを借りることを考えましょう。
地域の子育てサービスを調べたり、ママ友同士で助けあう相談をしたりして、子育てSOSメモを作っておくと、いざというときに役立つでしょう。
1~3歳は、きょうだい育児の大変さのピークともいえます。
でも、これはほんのわずかな期間で、ずっとこのまま続くわけではありません。
しばらくすれば、きょうだい同士で助けあったり、いたわりあったりできる年齢に成長していきます。
それまでファイトです!
文/宇野智子 写真/Adobe Stock
げんき編集部
幼児雑誌「げんき」「NHKのおかあさんといっしょ」「いないいないばあっ!」と、幼児向けの絵本を刊行している講談社げんき編集部のサイトです。1・2・3歳のお子さんがいるパパ・ママを中心に、おもしろくて役に立つ子育てや絵本の情報が満載! Instagram : genki_magazine Twitter : @kodanshagenki LINE : @genki
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渡辺 弥生
大阪府生まれ。1983年筑波大学卒業。同大学大学院博士課程心理学研究科で学んだ後、筑波大学、静岡大学、途中ハーバード大学客員研究員を経て、法政大学文学部心理学科教授。同大学大学院ライフスキル教育研究所所長兼務。教育学博士。専門は、発達心理学、発達臨床心理学。主な著書に『まんがでわかる発達心理学』、『11歳の身の上相談』(講談社)、『親子のためのソーシャルスキル』(サイエンス社)など。
大阪府生まれ。1983年筑波大学卒業。同大学大学院博士課程心理学研究科で学んだ後、筑波大学、静岡大学、途中ハーバード大学客員研究員を経て、法政大学文学部心理学科教授。同大学大学院ライフスキル教育研究所所長兼務。教育学博士。専門は、発達心理学、発達臨床心理学。主な著書に『まんがでわかる発達心理学』、『11歳の身の上相談』(講談社)、『親子のためのソーシャルスキル』(サイエンス社)など。