ママ友や世間の目が気になって子育てがうまくいかない 教育専門家が回答
こんなときどうする?子育てQ&A#30「世間の目が気になって、のびのびと子育てができない」
2022.03.18
教育学博士:渡辺 弥生
そういう人は、気配り上手だったりもします。
むしろ、まったく他人の目が気にならないという人のほうがちょっと怖いかもしれません。
「一貫性のない子育てはダメだとわかっています。でも、周囲の目が気になって、家では叱らないようなことでも、外出先では、つい子どもに厳しくしてしまいます」(2歳半・男の子)
子育てに影響するときは対策を考えることも必要
そのせいで、「子育てがのびのびできない」「わが子を叱りすぎる」「ストレスになる」などにつながってしまうと、子どもの成長にとってもいいことではありませんね。
もし、子育てに影響が出ていると感じるときは、少し踏ん張って自分を変えてみることを試みてもいいかもしれません。
「外出先でギャン泣きされたときや、旅行などで子どもを深夜まで連れ歩く必要があるときなど、人の目が気になり、つらい気持ちになるのがストレスです」(2歳・男の子)
世間はママのがんばりを見てくれています
人の目を気にして、子どもの口を強引にふさぐために、怒ったりたたいたりすることがあるかもしれません。
でも、これは逆効果だし、世間もそれを求めているわけではありません。
とりあえず抱いて、人が少ない場所に移動して泣きやむのを待つ対応がベターでしょう。
そして、根本的な解決策として、次のABCを試してみてください。
A「なにが問題だったのか考える……(例)この子は、私に一方的に拒絶されたショックで泣いたのかな?」
B「解決策を複数考える……(例)抱きしめる、気分転換する、共感する」
C「次のときに、考えたBのなかからできそうな解決策を実践してみる」
この解決策を使っても、うまくいかないこともあります。
でも、ママがなんらかの工夫をしている姿を見れば、周囲の人たちも納得してくれるものです。
また、ママ自身が「私なりに考えて努力している」という気持ちを持てるので、人の目もそれほど気にならなくなるはずです。
「ママ友や世間の目を気にしながら、しつけをしがちです。そのせいで、子育てがのびのびできなくなっている気がします」(3歳・女の子)
世間の目よりも、わが子の成長を優先する対応を
友だちに乱暴したときなどに、ママが謝ることは大事ですが、わが子にマイナスのレッテルを貼るような発言は避けたいこと。
そういうときは、「今、この子に教えなきゃいけないことはなにか」と考えて行動すると、子どもにとって大きなプラスになります。
まずは、子どもの成長にマイナスになるような言動をやめてみることからはじめるといいでしょう。
文/宇野智子 写真/Adobe Stock
げんき編集部
幼児雑誌「げんき」「NHKのおかあさんといっしょ」「いないいないばあっ!」と、幼児向けの絵本を刊行している講談社げんき編集部のサイトです。1・2・3歳のお子さんがいるパパ・ママを中心に、おもしろくて役に立つ子育てや絵本の情報が満載! Instagram : genki_magazine Twitter : @kodanshagenki LINE : @genki
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渡辺 弥生
大阪府生まれ。1983年筑波大学卒業。同大学大学院博士課程心理学研究科で学んだ後、筑波大学、静岡大学、途中ハーバード大学客員研究員を経て、法政大学文学部心理学科教授。同大学大学院ライフスキル教育研究所所長兼務。教育学博士。専門は、発達心理学、発達臨床心理学。主な著書に『まんがでわかる発達心理学』、『11歳の身の上相談』(講談社)、『親子のためのソーシャルスキル』(サイエンス社)など。
大阪府生まれ。1983年筑波大学卒業。同大学大学院博士課程心理学研究科で学んだ後、筑波大学、静岡大学、途中ハーバード大学客員研究員を経て、法政大学文学部心理学科教授。同大学大学院ライフスキル教育研究所所長兼務。教育学博士。専門は、発達心理学、発達臨床心理学。主な著書に『まんがでわかる発達心理学』、『11歳の身の上相談』(講談社)、『親子のためのソーシャルスキル』(サイエンス社)など。