ついついぐずる子にスマホを与えてしまう 発達への影響は? 識者が回答
こんなときどうする?子育てQ&A#25「ぐずる子どもにスマホを見せるのってどうなの?発達への影響はある?」
2022.03.07
教育学博士:渡辺 弥生
「電車に乗ったときなど、最初は静かにしていても、あきると騒いでしまいます。いろいろ試してもなかなかうまくいきません。『ケータイを見せるのもなあ』と思いつつ、見せてしまうこともあります。これってよくないことでしょうか?」(1歳・女の子)
子育て事情を考えると、全面禁止は難しいもの
ただ、大人でも長時間見続けると、ブルーライトの影響などで目が疲れます。
子どもならなおさらですから、注意しながら利用していくことが必要です。
実際、スマホやタブレットなどは、子どもがぐずったときの便利ツールになっている面もあります。
全面禁止が難しいときは、ルールを作って利用するとよいでしょう。
「うちの子、スマホが大好き。ダメといってもききません。発達に影響が出るのでしょうか?」(3歳・男の子)
子どもに見せるときに大切な5つのルール
TVなどの幼児番組の構成は一区切り15分のことが多いので、画面が小さいスマホなどの場合は、15分以内の視聴が安心でしょう。
2.ほかの遊びとのバランスを考えて
幼児期は、体を使う、手先を使う、想像力をふくらませるなど、さまざまな能力を使う遊びをバランスよくすることが大切。
「TV、DVD、スマホなどの視聴時間が増えすぎていないか」意識してチェックを。
3.コンテンツを選んで
動画などは幼児にふさわしいコンテンツを選びましょう。
保存した写真を見せて、ママと一緒に見るだけでも子どもは楽しいものです。
4.寝る前は見せない
スマホなどが発するブルーライトは眼精疲労を起こしやすく、寝る前に見ると睡眠ホルモンの分泌を抑制して寝つきが悪くなるといわれています。
寝かしつけ時にはスマホは使わずに、絵本を読んだり、お話タイムにしましょう。
5.保管場所の管理はしっかりと
親が日常的にスマホなどを見ていれば、当然子どもは「自分も!」ということになります。
叱っても、いい聞かせても、好奇心をがまんできない年齢です。
大人も使用は必要最小限にとどめ、子どもが寝ている時間などに扱うようにするといいですね。
また、テーブルの上などに置きっぱなしということはやめましょう。
「一度だけ携帯で動画を見せたら泣くほど見たがるようになり、寝るときも『ケータイ!』と泣かれて困ってます」(2歳・女の子)
節度を守って、親子一緒に楽しむ使い方を
スマホに興味をもつのは当然なのですが、この時期に大切な親子のやりとりをしながらの視聴にしたいですね。
外出先で子どもに大泣きされるのはストレス! それがスマホで解消できれば使うことがあってもいいと思います。
節度ある使い方で、ママも少しはラクができるといいですね。
文/宇野智子 写真/Adobe Stock
げんき編集部
幼児雑誌「げんき」「NHKのおかあさんといっしょ」「いないいないばあっ!」と、幼児向けの絵本を刊行している講談社げんき編集部のサイトです。1・2・3歳のお子さんがいるパパ・ママを中心に、おもしろくて役に立つ子育てや絵本の情報が満載! Instagram : genki_magazine Twitter : @kodanshagenki LINE : @genki
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渡辺 弥生
大阪府生まれ。1983年筑波大学卒業。同大学大学院博士課程心理学研究科で学んだ後、筑波大学、静岡大学、途中ハーバード大学客員研究員を経て、法政大学文学部心理学科教授。同大学大学院ライフスキル教育研究所所長兼務。教育学博士。専門は、発達心理学、発達臨床心理学。主な著書に『まんがでわかる発達心理学』、『11歳の身の上相談』(講談社)、『親子のためのソーシャルスキル』(サイエンス社)など。
大阪府生まれ。1983年筑波大学卒業。同大学大学院博士課程心理学研究科で学んだ後、筑波大学、静岡大学、途中ハーバード大学客員研究員を経て、法政大学文学部心理学科教授。同大学大学院ライフスキル教育研究所所長兼務。教育学博士。専門は、発達心理学、発達臨床心理学。主な著書に『まんがでわかる発達心理学』、『11歳の身の上相談』(講談社)、『親子のためのソーシャルスキル』(サイエンス社)など。