子連れの買い物がスムーズにいかない! 発達心理学者が解決策を提案
こんなときどうする?子育てQ&A#24「子連れでの買い物がスムーズにいかなくてストレスになります」
2022.03.04
教育学博士:渡辺 弥生
では、子どもの気持ちはどうなのでしょう? 店に連れていかれ、そこに魅力的なものがいっぱいあれば欲しくなります。
もっと店内を探索したくなって、カートに乗りたくない気持ちになるのは、とくに1~3歳では当然のことです。つまり、これは親と子の立場の違いでおこること。子どもが悪いわけでも、ママが間違っているわけでもないのです。
「息子連れでの買い物が、毎回大変です。カートにはじっと乗ってないし、抱っこも重くなって限界。だからといって毎日宅配も気がすすまないし、買い物がストレスです」(3歳・男の子)
買い物は、子どもの学習の場でもあります
いろいろな食材や日用品、面白い絵や文字への関心を育てるほか、働く人を見る機会になり、社会学習ができる場でもあるのです。
まず、これらのことを知って、では、どうすればいいのか? ということになりますね。
まだ「約束」という言葉の理解も、ガマンをすることもできない年齢です。無防備なまま買い物へいけば、最悪、親子の店内バトルになる可能性は大なのです。
それを防ぐには、どうなると最悪な状況になるのか考え、前もって覚悟して、対策をたてておくことが必要です。
「買い物でユウウツなのが、子どもが『あれ、買って~』と激しく暴れること。どういい聞かせたらいいのでしょう?」(2歳半・男の子)
対策は大きく2つ。あれこれ織り交ぜて
1.ネットスーパーの利用
2.生協などの宅配の利用
3.休日や夜間、パパに子どもをみてもらっている間に買い物をする
ストレスを避けるには、この時期だけの応急手段と割り切って対策することも必要かもしれませんね。
◆子連れでいくときは覚悟と準備を
1.レジで並ぶ時間を短縮するためにも、混雑している時間帯を避ける
2.空腹だと欲しいものが増えるので、お腹を満たしてから出かける
3.1個だけは買ってあげることにし、ママが選んだものから選択させる
4.食材についてや今日のメニューのことなどを語りかけながら、買い物に参加している気分にさせる
これらを参考に、あれこれ織り交ぜて試してみるといいと思います。
「うちの子、お店に入ると、なんでも手に取りたがり、買う予定がないものまで購入してしまうことがよくあります。うまく気をそらせる方法ってない?」(3歳・女の子)
ママの対応を受けながら学んでいく子どもたち
買い物にしても、「ダメダメありき」ではなく、「1個だけね。約束ね」「これおいしそうだから1個買おうね。あとはダメよ」などと話せば、今はわからなくても、ルールやガマンを覚える機会になります。
買い物は子どもの学習の場でもあると考えて対応していけるといいですね。
文/宇野智子 写真/Adobe Stock
げんき編集部
幼児雑誌「げんき」「NHKのおかあさんといっしょ」「いないいないばあっ!」と、幼児向けの絵本を刊行している講談社げんき編集部のサイトです。1・2・3歳のお子さんがいるパパ・ママを中心に、おもしろくて役に立つ子育てや絵本の情報が満載! Instagram : genki_magazine Twitter : @kodanshagenki LINE : @genki
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渡辺 弥生
大阪府生まれ。1983年筑波大学卒業。同大学大学院博士課程心理学研究科で学んだ後、筑波大学、静岡大学、途中ハーバード大学客員研究員を経て、法政大学文学部心理学科教授。同大学大学院ライフスキル教育研究所所長兼務。教育学博士。専門は、発達心理学、発達臨床心理学。主な著書に『まんがでわかる発達心理学』、『11歳の身の上相談』(講談社)、『親子のためのソーシャルスキル』(サイエンス社)など。
大阪府生まれ。1983年筑波大学卒業。同大学大学院博士課程心理学研究科で学んだ後、筑波大学、静岡大学、途中ハーバード大学客員研究員を経て、法政大学文学部心理学科教授。同大学大学院ライフスキル教育研究所所長兼務。教育学博士。専門は、発達心理学、発達臨床心理学。主な著書に『まんがでわかる発達心理学』、『11歳の身の上相談』(講談社)、『親子のためのソーシャルスキル』(サイエンス社)など。