「発達障害」の子どもと親 「療育」の具体例・受ける施設・どんな変化?

児童精神科医・三木崇弘先生が語る「発達障害の子どもと保護者への支援」 #2 「療育」とは? どんなところ?

児童精神科医:三木 崇弘

療育施設の選び方

次にお母さん、お父さんが気になるのは、「療育をどこで受ければいいのか」ですよね。

療育をしている施設には、地域の児童発達支援センターや民間の児童発達支援事業所など、さまざまなところがあります。

どこがいいのか悩んだら、まずは通っている保育園や幼稚園、住んでいる地域の保健所・保健センターなどに相談してみてください。

ただし、保健所・保健センターなど、自治体側からは特定の会社をおすすめすることはできないので、「この事業所を利用される方が多いですね」というような返事がくるかと思います。

ほかにも、インターネットで口コミを調べてみたり、実際に利用している別の保護者の方から直接情報を得たりする方法があります。

受けられる療育の内容や回数、自宅からの通いやすさ、送迎の有無など、選ぶポイントは子どもや家庭によってさまざまだと思います。情報収集をしたなかから、気になるところに連絡をして話を聞いたり、可能であれば子どもと一緒に見学したりしながら、親子ともに納得できる施設を選んでいくといいでしょう。

療育で変わること

療育で変化するのは、子どもだけではありません。子育ては相互作用です。子どもが変わると、お母さんやお父さんも変わります。

子どもは療育を受けて、自分が欲しいおもちゃを持つ友達に「かして」と言えるようになったり、感覚遊びをしてボタンがかけられるようになったりします。

そうすると、親子の関係にも変化が出てくることがあります。子どもと一緒に感覚遊びをしたお母さんやお父さんが、楽しそうな子どもの様子を見て嬉しくなったり、頑張っている子どもの姿に感動したりすることもあるでしょう。

療育を受けるまでは反応が乏しかった子どもから、期待していた反応が返ってくるようになると、「今までよりもわが子がかわいく思える」という話を実際によく聞きます。

療育は、子どもが傷つく経験を減らすことと、家族の笑顔を増やすこと。そう思って、療育を利用してほしいと思いますね。

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次回3回目は、発達障害の子どもを持つ保護者への支援について、引き続き三木先生に解説していただきます。

取材・文/山口ちゆき(メディペン)

三木崇弘先生の発達障害の子どもと保護者の支援連載は全3回。
1回目を読む。
3回目を読む。
(※3回目は2023年1月6日公開。公開日までリンク無効)

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みき たかひろ

三木 崇弘

Miki Takahiro
児童精神科医

児童精神科医。国立成育医療研究センターこころの診療部でフェロー・研究員として6年間勤務の後、2019年フリーランスに。以降、クリニック専門外来、公立小学校スクールカウンセラー、児童相談所、保健所、児童養護施設、児童自立支援施設などで非常勤の医療・教育等カウンセラーとして活動。 2023年4月より地元・姫路へ戻り、児童精神科医として多忙な日々を送る。 『モーニング』連載中の漫画『リエゾン―こどものこころ診療所―』監修。知的障害支援「あいプロジェクト」代表、発達研修ユニット「みつばち」としても活動中。 最新著書『リエゾン―こどものこころ診療所―凸凹のためのおとなのこころがまえ』(講談社)

児童精神科医。国立成育医療研究センターこころの診療部でフェロー・研究員として6年間勤務の後、2019年フリーランスに。以降、クリニック専門外来、公立小学校スクールカウンセラー、児童相談所、保健所、児童養護施設、児童自立支援施設などで非常勤の医療・教育等カウンセラーとして活動。 2023年4月より地元・姫路へ戻り、児童精神科医として多忙な日々を送る。 『モーニング』連載中の漫画『リエゾン―こどものこころ診療所―』監修。知的障害支援「あいプロジェクト」代表、発達研修ユニット「みつばち」としても活動中。 最新著書『リエゾン―こどものこころ診療所―凸凹のためのおとなのこころがまえ』(講談社)

メディペン

medipen
医療ライターズ事務所

医療ライターズ事務所。 看護師、管理栄養士、薬剤師など、有医資格者のライターが在籍。 エビデンスに基づいた医療記事を得意とするほか、医療×他業種の記事を手掛ける。 産婦人科関連、小児科、皮膚科、医療系セミナーレポートや看護師専門サイトの記事の実績多数。 medipen

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