「食べたいものは自分で作る!」をモットーに、料理家・越野美樹さんが「日本の伝統食材」を使ったレシピを提案する連載。
ロハス、エシカル、SDGsなどのオシャレな横文字ではなく、毎日のベタでリアルな生活の中から生まれた身近な知恵……。
小さい子がいて忙しくても、ゆるく続けられる台所仕事の「MOTTAINAI」を、具体的な実践方法を交えてお伝えします。
16回目のテーマは、「卵」。
子どもが食べやすいメニュー、「肉巻き卵」「巣ごもり卵トースト」「卵だけケーキ」の3種をご紹介します。
思わず一緒に作りたくなる「お手伝いポイント」も載せていますので、親子で一緒に楽しんでくださいね。
「MOTTAINAI」 台所から未来の子どもを支えるごはん 全シリーズを読む
栄養バランスに優れた卵
卵を毎日、食べていますか?
卵はビタミンCと食物繊維以外の栄養をすべて含む、完全栄養食です。
タンパク質も豊富で、食品に含まれる必須アミノ酸の比率を表す「アミノ酸スコア」は最大値の100。人間に必要な、良質なタンパク質が含まれています。
卵は栄養価が高いだけでなく、煮る、焼く、揚げる、蒸す、ゆでる、炒めるなど、どんな調理法でも使える万能食材です。
今回は、子どもと一緒に楽しく作れる、卵料理3品をご紹介します。
その前に、卵の豆知識をご紹介します。
卵の豆知識
卵の栄養はどれも同じですが、殻の色や黄身の色が違うのはなぜでしょうか。
卵の殻の色は、鶏の品種によって変わります。鶏の羽の色と殻の色は同じ場合が多く、黒っぽい鶏は褐色の色素を含む赤玉卵を産みます。
白い殻の卵のほうが価格が安いことが多いですが、安定的に卵を産むことができ、エサを食べる量が少ないのもその理由です。
卵の黄身が黄色いのは、エサにカロテノイドを含む黄色いとうもろこしやパプリカなどを入れるため。
ただ、卵の殻や黄身の色が違っても、栄養価に違いはありません。
また、日本では90%以上がケージ飼いです。鶏舎の中を自由に動く平飼いの卵はストレスが少ないため、生臭みが少なく、コクがあるといわれています。