「森のムッレ教室」温度・香り・色のゲームを親子で楽しむ!
北欧の幼児自然教育から学ぼう#4「親子で楽しむ自然遊び」
2021.09.15
親自身も楽しもう!
自然のなかで子どもと遊ぶときに、気をつけなければならないことはあるのでしょうか。
「一番心がけて欲しいことは、『親自身が楽しむ』ことです。子どもと一緒に遊ぶと、親はついつい、『飽きてしまわないか』『上手に遊べるように』などと、子どものことばかり気にしてしまいます。
しかし、子どもは親をよく見ているものです。親が楽しそうにしていなければすぐに伝わり、子どもも興味を持たなくなります。ですから、まずはご自身が興味のある遊びを選んで、子どもと一緒に試してみてください」(高見さん)
「そして、『強制しないこと』も大事です。
『色ビンゴ』のように、家から用意していった遊びでも、子どもが乗り気でないようならその日はやめて、『今やりたい遊び』にシフトします。
興味のないことを無理やりやらされると、子どもはその遊びを嫌いになってしまいます。『わがまま』などと決めつけずに、子どもが今どんな気分なのか、どんなことに好奇心を持っているのか、親はじっくりと向き合うことが大切です。
また、自然のなかで怪我や事故を避けるために、遊ぶ場所に注意を配っておくことも大切です。蜂の巣がないか、雨の翌日は滑って転びそうなところがないかなど、リスクになりそうな場所をよく確認してください。
活動に適した服装をすることも重要です。動きやすい服と靴で遊ぶようにしましょう」(高見さん)
身近な自然とのふれあいを満喫して
「自然のなかでのアクティビティは、年齢を問わず楽しむことができます。夢中になって遊ぶことで、大人は日常のストレスから解放されてリフレッシュできますし、子どもは、リラックスした大人と一緒にいることが、とても楽しいと感じるのです。
一方で、大人の側が『教えよう』とか『学ばせよう』という姿勢で臨むと、子どもは緊張し、楽しむ気持ちや好奇心は一気にしぼんでしまいます」(高見さん)
子どもは自然とふれあう「体験」から多くを学びますが、それは「楽しい」と感じたときだけです。「面白い」「もっと知りたい」と感じたときにこそ、好奇心の翼を大きく広げることができます。
親にできることは、子どもと一緒に楽しみ、一緒に感動すること。そして、子どもの疑問に向き合い、一緒に調べることです。
コロナ禍で遠出ができない今こそ、身近にある自然のなかで、子どもとたくさん一緒に遊んでみてください。
取材・文/川崎ちづる
高見 幸子
1974年よりスウェーデン在住。野外生活推進協会の活動である「森のムッレ教室」(5〜6歳児対象の自然教育)にてリーダーとして活動後、日本にも紹介し、普及活動を展開している。 環境視察のコーデイネートや執筆活動等を通じて、スウェーデンの環境保護、幼児教育などを日本に紹介。現在、スウェーデン「ヨスタ・フロム森のムッレ財団」副理事長、「日本野外生活推進協会」(森のムッレ協会)事務局長。 【主な訳著書】 『スウェーデンにおける野外保育のすべて』(訳書/新評論)、『幼児のための環境教育』(共著/新評論)、『エコゴコロ』(共著/共同通信社)、「日本再生のルール・ブック」(海象社)など
1974年よりスウェーデン在住。野外生活推進協会の活動である「森のムッレ教室」(5〜6歳児対象の自然教育)にてリーダーとして活動後、日本にも紹介し、普及活動を展開している。 環境視察のコーデイネートや執筆活動等を通じて、スウェーデンの環境保護、幼児教育などを日本に紹介。現在、スウェーデン「ヨスタ・フロム森のムッレ財団」副理事長、「日本野外生活推進協会」(森のムッレ協会)事務局長。 【主な訳著書】 『スウェーデンにおける野外保育のすべて』(訳書/新評論)、『幼児のための環境教育』(共著/新評論)、『エコゴコロ』(共著/共同通信社)、「日本再生のルール・ブック」(海象社)など