「狭い家に子どもスペースを作りたい!」 部屋割・模様替えのNG “やってはいけない”を〔一級建築士が伝授〕

「家が狭い!」ファミリーを救う“間取り改造”計画【2/3】~部屋作りの見直し~

一級建築士、模様替えアドバイザー:しかま のりこ

押し入れや廊下に「子どもスペース」はNG

では、どうがんばっても子どもの勉強机をリビングや居室に置けない場合は? ここでやりがちな失敗が、広めの廊下に子どもの勉強机を置くこと。同様に、押し入れやサービスルーム(納戸)の一部を子どもの寝室にしようとする人もいるかもしれません。

「これは絶対ダメ。なぜかというと、押し入れやサービスルーム、ウォークインクローゼットは、物を収納する場所として設計されているため、換気も採光も全く考慮されていないんです。窓がない廊下も同じです。

換気とは、外気を取り入れ、汚れた空気を新鮮な空気に入れ替えること。換気をしていないと空気の流れがとどこおり、空気だまりができ、二酸化炭素濃度も上がります。すると脳の活性も落ち、作業効率や睡眠の質が低下するといわれています。だからこそ、居室では換気をしなければならないと、建築基準法で定められているんです。

もし納戸やサービスルームを子どもの空間にするなら、換気機能がついたエアコンを設置して、空調とともに必ず外部の空気を取り入れてください。なお、『空気清浄機を置けばいい』と考えている人もいますが、空気清浄機は、花粉やハウスダストを吸い取ることはできても、二酸化炭素を酸素に変えることは不可能ですよね」

こうした注意点をもとに、次回はいよいよ、部屋割の実例を紹介してもらいます。

●しかまのりこPROFILE
COLLINO一級建築士事務所主宰。一級建築士、模様替えアドバイザー、建築基準適合判定資格者、耐震診断士。ゼネコン建築設計部等で設計・検査・審査など携わった住戸数はのべ5000件以上。独自のメソッドで、500件の問題を解決してきた。

取材・文/桜田容子

しかまさんがさまざまな家族構成と間取りの実例を紹介し役立つヒント満載の『狭い家でも子どもと快適に暮らすための 部屋作りのルール』(彩図社)
すべての画像を見る(全9枚)
この記事の画像をもっと見る(全9枚)

前へ

4/4

次へ

35 件

しかま のりこ

Noriko Shikama
一級建築士、模様替えアドバイザー

COLLINO(コリーノ)一級建築士事務所主宰。一級建築士、模様替えアドバイザー、建築基準適合判定資格者、耐震診断士。 ゼネコン建築設計部等で設計・検査・審査に携わった住戸数はのべ5000件以上にのぼる。現在は独立し、機能的でおしゃれな部屋作りを専門に行うCOLLINO一級建築士事務所を設立。部屋を「空間分け」「動線」「収納」の観点でつくる独自のメソッドで、500件の問題を解決してきた。 近著に『狭い家でも子どもと快適に暮らすための 部屋作りのルール』(彩図社)がある。 ●COLLINO一級建築士事務所HP

COLLINO(コリーノ)一級建築士事務所主宰。一級建築士、模様替えアドバイザー、建築基準適合判定資格者、耐震診断士。 ゼネコン建築設計部等で設計・検査・審査に携わった住戸数はのべ5000件以上にのぼる。現在は独立し、機能的でおしゃれな部屋作りを専門に行うCOLLINO一級建築士事務所を設立。部屋を「空間分け」「動線」「収納」の観点でつくる独自のメソッドで、500件の問題を解決してきた。 近著に『狭い家でも子どもと快適に暮らすための 部屋作りのルール』(彩図社)がある。 ●COLLINO一級建築士事務所HP

さくらだ ようこ

桜田 容子

ライター

ライター。主に女性誌やウェブメディアで、女性の生き方、子育て、マネー分野などの取材・執筆を行う。2014年生まれの男児のママ。息子に揚げ足を取られてばかりの日々で、子育て・仕事・家事と、力戦奮闘している。

ライター。主に女性誌やウェブメディアで、女性の生き方、子育て、マネー分野などの取材・執筆を行う。2014年生まれの男児のママ。息子に揚げ足を取られてばかりの日々で、子育て・仕事・家事と、力戦奮闘している。