
「狭い家に子どもスペースを作りたい!」 部屋割・模様替えのNG “やってはいけない”を〔一級建築士が伝授〕
「家が狭い!」ファミリーを救う“間取り改造”計画【2/3】~部屋作りの見直し~
2025.05.15
一級建築士、模様替えアドバイザー:しかま のりこ
人気の収納家具は学用品のサイズに合わせる
子育て世代が注意したいのが、間仕切りとしても使える収納家具の選び方。しかまさんは、「横にも縦にも置き足しができるカラーボックスは一見便利ですが、意外とモノが入らないので要注意」と指摘します。
「算数セットや書道セットなどは、幅が35~40cm前後ありますよね。ところが、人気メーカーのカラーボックスの奥行は30cm未満であることが多い。そうすると、学用品が横向きにしか入らず、前面のスペースに物を入れれば取り出しにくくなりますし、縦向きに入れると棚から5~10cm以上はみだして、通路を妨げてしまいます」
実は記者もカラーボックス(スタッキングシェルフ)を買いましたが、学用品やおもちゃなどの大きめの箱は入らず、収納不可能に。もっぱら本棚として機能しています。

「その点、IKEAの『KALLAX カラックス シェルフユニット』は奥行が39cm。学用品もおもちゃ箱も見ごとに入ります。たった10cmの差ですが、それによって収納量が大きく変わるんです。
わが家では、子どもが小学生のころは学用品を入れた間仕切りとして使い、今はクローゼット内の収納としても活用しています」
動線の確保や採光・風通しを意識
家具を見直したら、その配置を考えましょう。このとき念頭に置きたいのが、動線の確保。動線の幅は最低60cm必要だといいます。
「意外と、部屋の中の動きやすさって大事なんです。移動がしにくいと、動かなくなり、片づけもしにくくなってますます家が散らかってしまう。ドアや引き出しを全開できるかどうかも、確認を。
とくに狭小空間では、通路や扉の開閉スペースを確保しないと日々の生活がストレスになりますし、地震で大型家具が入り口をふさぎ避難の妨げになる恐れもあります」

また、家具や間仕切りを置く際には、光や風の通り道も妨げないよう注意したい。
「たとえばベランダと平行に2段ベッドや間仕切りを置くと、光がさえぎられ、風通しも悪くなります。照明がないと真っ暗になってしまう空間は、子どもの成長にも精神衛生上も良くない。
窓や照明の位置を考慮して、できるだけ太陽光が入ってくる、明るく風通しの良いレイアウトを目指しましょう」