1年をかけ岩波少年文庫を100冊読破した読書インフルエンサーが感じた、「生きるエール」をもらえる 児童文学4選

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ライター:三本川

吉田桃子『夜明けをつれてくる犬』

夜明けをつれてくる犬

夜明けをつれてくる犬

吉田 桃子(著) Naffy(イラスト)

発売日:2021/04/22

価格:本体1400円(税別)

小学生のころ、ひとまえで話すことのできない同級生の女の子が一人いました。
私は彼女がどんなことを考えていたのか、わからないままでした。

この本もひとまえで話すことのできない、おそらく場面緘黙症と思われる子どもの話。

人と話せない小学生の女の子が、大切な飼い犬の死を乗り越えられずにいます。

女の子が骨つぼの中の犬の骨に触れるシーンから始まり、その静謐な空気感に冒頭から心を摑まれました。

小説という媒体には、立場を超えて登場人物に共感できるという良さがあります。

この本を読むことで、うまく話せない人にも共感を持つことができるようになります。

「声になって外に出ないだけで、わたしのなかは、いつだって言葉でいっぱいなのだ」というモノローグもあるとおり、主人公の内面には複雑な思いであふれています。

そんな彼女が悲しむべきことをしっかり悲しんで、強くなって進んでいく健気な姿には、読者も大いに力をもらえること間違いありません。

松素めぐり『保健室経由、かねやま本館。』

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